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だいじょうぶだよ、ゾウさん」 MKNさんの声

だいじょうぶだよ、ゾウさん 作:ローレンス・ブルギニョン
絵:ヴァレリー・ダール
訳:柳田邦男
出版社:文溪堂 文溪堂の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2005年11月
ISBN:9784894234383
評価スコア 4.79
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  • つながれていく命のお話

    • MKNさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子3歳、男の子1歳

    子どもの頃、死ぬことが怖くて仕方なった。
    交通事故で近所の子が亡くなった時も、高校の同級生が亡くなった時も、悲しくて怖くて仕方なかった。
    そして、30を過ぎた今でも、やはり死ぬのは怖い。
    しかし反面、年を重ねるうちに、不思議とその恐怖が小さくなってきたように感じる。
    もちろん子どもたちもまだ小さいし、現世に未練はたっぷりあるから、まだまだ元気でいたい。
    けれども一方で、「今、死んだら、それも運命かな」と、自分の死と向き合えるようになってきた部分もある。

    ゾウは長い人生で、親や友達など、たくさんの愛する者たちを見送ってきただろう。もしかすると、ゾウも最初はネズミのように死を恐れ、誰かの足にすがりついたかもしれない。
    しかし、その中でゾウも「死は恐れる物ではない。自然な事だ」と少しずつ向き合えるようになったのだ。
    だから、「いっちゃいやだ」と恐れるネズミに何も言わなかった。諭しも怒りもせず、ただ普段通り楽しく過ごし、ネズミの成長を待ったのだ。

    ネズミが吊り橋の修理ができたと告げると、ゾウは「きみが、きっと手だすけしてくれると思っていたよ」と言った。
    ここに至るまで長い月日が流れ、ゾウは目が見えなくなり、物忘れするようになり、せきが出たりするようになった。口にはしないけれど、きっと体はボロボロだったに違いない。
    それでも何も言わず、じっと待っていられたのは、ゾウがネズミを心から信じていたからだろう。
    その揺るぎない信頼に、ネズミは見事に応えたのだ。

    何れ、ネズミも「ネズミの国」に旅立つときがくるだろう。その時には、きっとネズミを愛する誰かが、旅立ちを見送ってくれるに違いない。そうやって、命はつながれていくのだ。

    投稿日:2016/11/29

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