2012年度青少年読書感想文全国コンクール小学校中学年の部課題図書。
原題は『WHERE I LIVE』。
「LIVE」のニュアンスを大切に受け止めたいです。
自由詩、手紙、メモ書きで、主人公ダイアナが思いを綴ります。
物語の構成が新鮮で、最初は戸惑いますが、
やがて、このようなスタイルである理由もわかってきて、
全体像を見て、その素敵さに拍手!でした。
ダイアナは素敵なおうちがあって、親友もいて、とても幸せなのです。
ところが、お父さんが失業、引越しを余儀なくされます。
ダイアナはありのままの気持ちを綴ります。
それが実は、何よりも癒しでもあったのですね。
表現することの大切さが伝わってきます。
自分の感情を綴り、その気持ちを自分で受容することを教えてくれた、
担任の先生、詩の勉強会の先生の存在が素敵です。
もちろん、家族もいろいろな視点からそっと寄り添います。
そして何より、いとおしい友情がたっぷり描かれます。
冒頭と最後で出てくる「WHERE I LIVE(ここがわたしのおうちです)」の描写は、
新旧での対比が鮮やかです。
引越しなどで寂しい思いをしている子どもたちにはぜひ、届けてあげたいおはなしでした。