クリスマスの本なんでしょうね。雪にロウソクの灯り…。イラストがきれいです。
「きょうというひ」が始まり、「きょうというひ」のために編んだセーター、帽子とマフラーを来て、少女は雪の中でロウソクの火を灯すための小さな家を作ります。そして、祈ります。「ちいさなあかりがきえないように…」、「きょうというひのいのりがきえないように…」と。
ただ、物語にヤマ場があるわけではなく、劇的な終わりがあるわけでもありません。淡々と文章が続いていきます。なので、子供の反応はいまひとつ…。
エンディングを含め、内容の捉え方はかなりの部分、読み手に委ねられているような気がします。物足りないと感じる方もいらっしゃるとは思いますが、読んでいて、私は穏やかな雰囲気に包まれます。一方、ところどころに描かれている力強いイラストには、灯りを消さない、祈りを消さない…という力強いメッセージが隠されているような気もします。
ゆっくりした日に、一人でじっくり読んでみたい本のひとつです。