アメリカの絵本作家ダニエル・カークによる「としょかんねずみ」の第2作めです。
一作めを読んでいない人のために、ざっとおさらいをしておきます。
主人公のサムは図書館に住むねずみです。図書館に住んでいるくらいですから。本を読むのが大好き。
とうとう自分でも本を書くようになります。
サムの書いた本は子どもたちにも大人気になりますが、誰も著者のサムがどんな人なのか知りません。
そんなお話。
2作めのこの絵本では、サムの正体がいよいよばれてしまうのです。
サムがねずみだとばれたら、図書館は大騒ぎになってしまいます。サムだってきっと追い出されます。
絵本や物語、漫画の世界ではねずみは愛される動物ですが、実際の世界ではみんなに嫌われます。
さあ、どうなるのでしょう。
でも、その前に、一人の男の子を紹介しましょう。
トムです。
トムはおとなしい男の子です。
友だちと一緒に絵本をつくるという集まりに参加したのですが、仲間が見つけられません。
そんな子どもなら、皆さんの近くにもきっといると思います。
仲間はずれにしているってことないですか。
もしかしたら、この絵本のトムのように本当はすごい素質を持っているかもしれないのですから、一緒に遊んであげるときっといいことがありますよ。
トムは、なにしろ、子どもたちに人気のあるサムという作家の正体はねずみだということに気がついたのですから。
面白いことに、この時のトムの表情が最初と随分ちがうのです。
目なんか輝いています。
図書館の机の上についたねずみの足跡に気づいたトムといったら、すっかり元気のいい男の子の表情です。
何か素晴らしいことを見つけるというのは、おとなしい子どもであっても、表情すら変えてしまう力を持っているのかもしれません。
そして、ついにトムはサムの正体をつきとめます。
「としょかんねずみ」を見つけてしまうのです。
さあ、「としょかんねずみ」のサムはどうしたでしょう。
サムの正体を知ったトムはどんな行動をとったでしょう。
この絵本のタイトルが「ひみつのともだち」となっています。
本当の友だちってどんな関係なのか、この絵本でわかるかもしれません。
こんな絵本があることを秘密にすることはありませんよ。