身近な人の死に触れること。
核家族化が進んでいる社会ではあまり日常に触れることではなく
なっていると思います。
お母さん方の中でもわざわざ触れさせることはない・・と言う方、
死ということを避ける必要はない・・・と言う方、いろいろあると
思います。
私の娘は3歳の時に初めて曾お婆ちゃんを亡くし、葬儀に参列しました。
感受性の高い娘は初めての悲しみに後々までこの体験を引きずり、
死に対しての恐怖を持ってしまいました。
しかし、折に触れ死に対しての話をするうちに彼女なりの理解をしたようで
今回、この絵本を読んで『おじいちゃんもぼくも幸せだったんだよね。
きっといっぱい一緒にいられたから今も幸せなんだよね』と思ってくれたようです。
皆いつかは迎える召される日。
それまでにどんな風にその相手(この絵本の場合はおじいちゃん)と過ごすことが
出来るか、どんな風に接することが出来るのかで、その後の気持ちにも影響する
のではないかと思います。
隣に住む私の祖母は95歳。
我が家の愛犬は10歳。
遠くない将来に来る別れを後悔しないためにも、その日まで大切にすごしたい
そう思い返させてくれるのが、このような絵本かなと思っています。
おじいちゃんが大好きで大好きで一緒にいたいぼく。
別れは来ても、それでもおじいちゃんはぼく心の中でちゃんと生きている。
長谷川さんの温かい絵がそれをちゃんと伝えてくれています。
絵本はいつもハッピーエンドとは限らない。
時に寂しく切ないものでも、伝えたいものがちゃんと伝わるのが絵本の素晴らしさ。
私は星を5つ、付けたいと思います。