活躍の場がなくなって、住み慣れた街を離れ一人旅に出たしゃもじいさん。
「わしはまだまだ働ける。どこかでわしを使ってくれるところがあるはずじゃ」
そう信じて歩いて行くうち、自分と同じように使われなくなった様々な道具達と出会います。
みんなと自分達を必要としてくれるところを探しますが…?
表紙のしゃもじいさんの使い込まれた、でも優しげな瞳が印象的でした。
物があふれている時代、まだまだ使えるものを処分したり新しいものに買い替えたりしていないでしょうか。
道具に対する感謝を忘れていないでしょうか。
――そんなふうに問いかけてくる一冊でした。
お話の中で道具達が修理される場面は、大人にとっても勉強になります。
子供達もこのお話を読んで、道具を大事に扱うことや感謝の気持ちを持ってくれるといいなと思いました。