小学校1年生の息子と一緒に読みました。
まずは表紙を見て……
ハオちゃん、かわいいね。お魚かな?
でも、手や足みたいなものがあるね。
おでこに、赤いホイップクリームみたいなものがついているけど、これって?
中身を読んでびっくり、子供と一緒に大笑いしてしまいました。
なんとハオちゃん、あなたは竜でしたか!
竜のイメージは、すらりと長い身体にいかめしい顏。強くて怖くてかっこよくて……。敵にまわしたらこれほど怖いものはない。でも味方についたらこれほど心強いものはない。そんな、子供の憧れの存在のようです。
それなのに……こんなにかわいくて、思わず抱きしめたくなるようなふっくらまんまるの竜がいるなんて。
パパとママ、それにお兄ちゃんたちは、スタンダードなかっこいい竜なのですね。お兄ちゃんたちと違うのは、見た目だけではありません。
生まれてくるのもゆっくりで、なかなか飛べるようにならないハオちゃん。
でもパパもママも、そんなハオちゃんを心配したりせかしたりせず、ゆったりと見守っています。
息子は、ヤンチャなせんにんちゃんが登場するやいなや、ブーイング。
読み進めていく間に、ハオちゃんをかばう、お兄ちゃんたちのような気持ちになっていたようです。
りゅうの兄弟たちとせんにんちゃんのやり取りは、息子たち世代の子供の遊び方をそのまま写したよう。
しょうもない悪口の言い合いはやがて大喧嘩に発展し、大変な事態を引き起こしてしまい……。
まったくしょうがないヤンチャぼうずたちです。
息子は、怒ったり、けらけら笑ったり、びっくりしたり……とても楽しんでこの絵本を読んでいました。
最後にはハオちゃんたちと友達になったような気持ちになったのではないかな。
『くうたん』『おにぎりがしま』などの作品で、親子ともどもファンになったやぎたみこさんの不思議でかわいい絵も、もちろんこの絵本の魅力です。
りゅうが住む世界、仕事をしながら子育てをするりゅうの生活……楽しいイメージがふくらみます。
あぁ楽しかったね。
こんなかわいいりゅうが、本当にいるといいのにね。
そんなふうに、楽しい嬉しい気持ちで読み終えました。
それからふと、子供同士自由に遊ばせて、思いっきり喧嘩をさせることもままならない今の子育て事情を振り返り、少し寂しい気持ちもわいてきました。
ハオちゃんの両親のように、強くゆったりと、自分の子供や友達をおおらかに見守っていけたらいいのにな、と思いました。