わが子が自閉症であることから手に取った本ですが、何度も読んでいくうちに、いろいろな味わい方があることにきづきました。
「ぼく」をまず中心に読んでいく。つぎに、「まわりの友達」を中心に読んでいく。すると、最初の「ぼく」と友達たちの絵のなかの距離感からもたくさんのメッセージを感じることができました。「ぼくはここにいるんだよ」「友達たちもけっして「ぼく」を避けているのではない」「でも距離を縮めるには「ぼく」も近づいていく気持ちにならなくては」、「友達もいじわるじゃない。きみを避けているのではない。距離を縮めることはできるんだよ。おいでよ、こうして遊んでいるから・・・いつでも・・・・」などなど・・・読み手それぞれがこの距離からいろんなことを感じることができると思います。
紙飛行機をもってきてくれた女の子・・・も・・・最初のページでは立ち尽くしている。みんなのすぐそばにいても「ぼく」と同じようなきもちでいる。離れていてもみんなの中にいても、「みんなといる」ってなんだろう、どうするんだろう?って思っている子どもがいることを、よくあらわし、「ぼく」に紙飛行機をもってきてくれた女の子は、「ぼく」に共感してくれている。そこで「ともだち」を感じる。「ぼく」
なんて・・・すてきな絵本だろうと思いました。
女の子がちょっと人種のちがう女の子にみえることも、別の解釈として感じる方もいるとおもいます。そこから女の子の内面を読み解く方もいるでしょう。
それも、意味あること・・・・。障害のある子への啓発本ばかりでない奥の深い絵本です。