舞台はルネサンス期のイタリア・ソレント。みなしごだったジョバンニ少年は、七色の玉をお手玉のように回す芸で身を立てました。月日が流れ、人々を喜ばせるために見せた芸は、加齢と共に精彩を欠き始めます……。
人は何のために生きるのか、考えさせられる絵本。クリスマスに大聖堂で見せるジョバンニの芸が涙を誘います。名作と聞いていたけれど、そのとおり。フランスに古くから伝わるお話だそうで、作者が自分自身の人生体験と重ね合わせ、心を込めて語りかえしました。
クリスマスに間に合わなかったこともあり、子供には読んでいませんが、これも涙の嵐になりそうな作品です。(一箇所、セクストンという単語が人名のように訳されていたけれど、これ、戸締りや後片付けなど大聖堂を管理する役職を示す言葉です。そこがちょっと残念でした。)