幼年童話「レッツ」シリーズの3巻です。
「レッツとネコさん」の1巻では、5歳のレッツが3歳だったころのことを思い出しながら、お話が進んでいきました。
「レッツのふみだい」の2巻では、5歳のレッツが4歳ころのことを思い出しながら……以下同文。
今回は5歳のレッツが5歳のままでお話が進んでいきます。
レッツの“今”です。
「はじめてのおつかい」に一人で勝手にチャレンジする話。
さすがレッツ、やることが大胆で、やると決めたら行動が早いです。
このお話には小さな子どもが一人で外を歩いた時の怖さが描かれていました。
例えば電車の自動改札口。小さな子が親くらいの年代の人と一緒に通れば捕まらずに通れてしまうこと。
一人でフラフラしていて、「お母さんは?」と聞かれた時、適当な大人を指さすとそれが本当の親でなくても、聞いた人は安心してしまうこと。
レッツでなくても出来そうだから怖いなと思いました。
今回のおはなしは、これまでの面白い感覚では読めなくて、
ドキドキしながら読みました。
短い幼年童話なのに哲学している内容でした。
最後のページのイラスト(レッツがお父さんとお母さんの頭をなでている絵)が心を和ませてくれました。
ヨシタケシンスケさんの絵って、ヒコ田中さんの物語との相性がいいです。