子どもを育てるということは大変なことで
良い時ばかりではないのだけれど、
赤ちゃん時代の可愛くて愛おしくて仕方なかった気持ちは、
いつまでも私の心の根っこの部分にあります。
それでよかったんだなぁと
読み終えた時に思わせてもらえた感じがしました。
絵本の終盤に差し掛かるあたりで、お母さんがかしの木の枝に腰をおろし、
どんぐりのへたを優しく撫でている場面は、今の自分と重なりました。
私も遠く離れて暮らす子どもを想ったり、心配したり、
子ども部屋へ入れば幼かった頃の表情を懐かしく思い出します。
星や月を見上げて、同じ空を見ているかもしれないと思ったりもします。
自分も親からこんな風に想われているのかもしれないと気づきました。
この絵本には
手渡され続ける愛が描かれていると思います。
場面ごとに変わるかしの木は、お母さんの感情を表す表情のようです。
いせひでこさんの絵が、このお話を絵本として押し上げているようにも思いました。