「いまのままじゃ、だめだ。」と、毎年やってくる冬の飢餓脱出のため、ウルフさんが決意した自作農生活。
『完璧な野菜畑を作るには』の本を読み、この広い世界で一番素晴らしい野菜畑をつくろうと、考えるあたり、相当生真面目なオオカミくんだと、笑いがこぼれてしまいました。
ベジタリアンになったウルフさんのおかげで、色々な面で森に幸せな毎日がやってきますが、ある日、畑が荒らされ、…。
農作業をもくもくとこなし、調理するウルフさんを見ているうち、本来彼が、肉食系であることをしばし忘れてしまいます。
古い探偵小説を読んだり、髪の毛をなでつけ畑へ出るなど、端々に野蛮さから遠ざかっていく様子がうかがえます。
野生の生臭さのない 可愛らしいキャラクターたち。
特に、種を見つけてウルフさんを訪ねる小動物たちが、下からおそるおそるウルフさんを見上げる視線のシーンが、なんとも可愛らしい。
見返しの収穫物も美味しそうです。
狩りを捨て、ウルフさんが得たものは、お腹ではなく心を満たすものだったのですね。
6歳の女の子に読みました。畑を荒らされたページで、とっても残念そうな顔をしていました。昼食のシーンでは、「いいなあ。」って、とっても羨ましそうでした。