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ことばあそび 絵あわせあそび
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投稿日:2009/03/29 |
おもしろい!です。
「おとこのこ」と縦書きしてある男の子の絵から始まって、3段に分かれているページの1段目をめくると、「いこのこ」になります。2段目をめくると「いぬこ」。3段目をめくると「いぬ」。
当然、絵もそれなりに変わっていきます。
さらに1段目をめくって「こぬこ」2段目で「こぶこ」3段目で「こぶた」。
数ぺーじ飛ばせば「こぼこ」とか「こらた」とか、笑える言葉遊びと絵あわせあそびを同時に楽しめる、単純なのに画期的な仕掛け絵本です。
裏表紙から始めると「おんなのこ」から。
言葉の仕組みがわかる年中さんくらいから楽しめるのではないでしょうか?
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やすらぎ
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投稿日:2009/03/29 |
表題のお話では、眠れないひつじのななちゃんがひつじを数えます。「ひつじがいっぴき」というと、「めええ」と答えてくれるのですが、七匹目の返事がありません。ななちゃんは探しに行くことにします。あちこち探してくたびれたななちゃんは、七匹目が見つかるとすやすや眠ることができました。
お話の結びは
ななちゃんが ねたから、おはなし おわり。
おふとん ぽん、ぽん、おやすみなさい。
となっています。
この他に、
<あけてよ あけてよ>というプレゼントの箱とくまさんのお話、
<おうさまパン>というピエロのパンやさんのお話、
<シャボンだまおばけ>というおばけとはるかちゃんのお話、
<くものぷうくん>という雲のお話、
<ねむねむごうにのって>というゆっくりれっしゃのお話、
と6話が入っていて、どれもこれも、え?どうなるの?ああ良かった〜という構成の、可愛らしくてやすらぎ満載で「おやすみのまえに」ぴったりのお話ばかりです。
説教臭く押しつけがましい言動になりがちな今日この頃、こんなふうに相手をなごませらたら、とつくづく反省しました。
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さよならの思い出
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投稿日:2009/03/08 |
秋田県大仙市の小種小学校。133年続いて、児童数25人で閉校になったのが2008年3月。思い出を絵本の形で残したいからと、学校は中川ひろたかさんに依頼をしました。中川さんは初めて訪れる小種小学校でその思いをしっかり受け止め、子供たちや先生方やここに通った全ての人たちの思い出とともに、写真と絵でコラボレーションされた絵本ができあがったのです。
中川さんは後書きで、これはひとつの小学校のことではなくて、誰の心の中にもある「原風景」だと記していますが、そのとおり、この絵本の景色は、小学校というものに足を踏み入れたことのあるあらゆる人たちの心に必ずひっかかるはずです。
「卒業」の季節、小さな小学校の思い出をたどりながら、いろんな「さよなら」を懐かしむことができました。
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ほっとする牛
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投稿日:2009/01/17 |
闘牛という催しは、そもそもどんな背景から生まれたのでしょうね。人間の挑発にカッとする牛がいて、それをなだめすかしたりしているうちに、そのなだめ方がうまい人が英雄になっていったのでしょうか?何かと面倒な現代で動物愛護協会あたりからクレームはこないのかしら・・・などと考えつつ、自分もテレビで楽しんだりしてるわけです。
この本の主人公「ふぇるじなんど」は、カッとする牛ではなく、言わばほっとする牛。ンモーという鳴き声が似合うタイプの花の匂いを嗅ぐことが大好きな穏やかな牛です。でも、見た目の体がものすごくりっぱに育ったある日、クマンバチの上に腰をおろしたばっかりに、闘牛にスカウトされてしまいます。ディズニーがアニメにしていますが、このクマンバチに腰をおろすあたり、いかにもディズニーっぽいですよね。で、それ以上に、このオリジナルの絵が楽しい!全編にわたって、牛の表情、たたずまい、遠景近景の使い方が絶妙で、70年以上前のユーモアとセンスに脱帽です。
また、スペイン内戦時代に「たたかわない」という姿を描いたという気概にも打たれました。
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独り言 知らねえ 懲り懲り
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投稿日:2008/12/04 |
内田麟太郎さんで、高畠純さんで、ふしぎの森で、ヤーヤーで、これはもう読むしかありません。
ふしぎの森の動物たち、主人公のヤーヤーはモニモニという動物の子どもです。さらに、ひとりごとばかり言ってるヒトリゴトさん、知ってても「しらねえ」としか言わないシラネエさん、羽があるのに飛ぼうとしない鳥のコリゴリさん。哲学の香りがします(笑)。
ヤーヤーは、このクセ者の3匹と交流を試みますが、簡単にはいきません。それでも、試行錯誤しながら、3匹の「事情」に近づいて行くのです。
内田さんお得意の言葉遊び文遊びがおもしろく、声に出して読むと楽しさ倍増。大きな字で書かれているので、老眼にはもってこい・・・じゃなくて、低学年向きの出版なのかもしれませんが、大人も、はっとさせられる内容です。
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それぞれのクリスマス
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投稿日:2008/11/21 |
この物語の主人公の女の子は、一人暮らしなのか、「ひとり」の世界に焦点を当てているのかわかりませんが、いずれにしても「家族」は登場しません。こういう設定はわくわくします。寓話としてのおもしろさが何にも邪魔されないからです。不特定多数の子どもたちと、お話を共有するときにも、ぴったりです。
さて、女の子は、偶然出会ったおばあさんに「そういえばクリスマスというものがあった」と聞き、見たことも聞いたこともないクリスマスを探しに出かけます。
行き先は「大雪の森」。ここで、やはりクリスマスを知らないネコ、イヌ、タカ、キツネ、マネシツグミに出会い、みんなが心の中にいろいろなクリスマスを思い描きながら、一緒に探していきます。
それぞれの性格付けがおもしろく、その辺は日本語訳の妙とも言えるでしょう。
最終的に出会ったクリスマスに6人(匹)はそれぞれの思いを抱きます。これが、いろんな人間のクリスマスの感じ方の象徴にも思えて、おもしろいです。
クリスマスは生きとし生けるものの心の数だけあるのですね。
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うれしいねえ
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投稿日:2008/10/21 |
小さい頃から、落語が大好きでした。寄席に通えた訳じゃないけれど、お笑いブームなど関係なかった昔に、テレビでよく見たなあと思います。時代劇も好きだったので、物の言い方数え方などもすんなり受け入れ、大いに笑い転げたものです。川端さんの落語絵本シリーズの中でも「はつてんじん」と、この「ときそば」は、大好きな柳家小三治さんの語り口が聞こえてくるような出来映えで、うれしいです。
ソバ屋をさんざんおだてた挙げ句、勘定をちゃっかりごまかしていく客のテンポのいい台詞。それを真似してコケまくる男の間抜けぶり。間違いなくおもしろいお話ですが、下手に噺家さんの真似をして、せっかくの話が台無しにならないように、丁寧に演じられたらなあと考えています。
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好奇心
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投稿日:2008/09/28 |
どんな生き物でも個体差とか個性とか必ずあるものです。生き物を扱うお話では、そのことをどれだけ実感できているかが、その本の価値を高めると思っています。
ベスコフさんの作品は、人間も含めた生き物やそこに宿る精霊のようなものへの好奇心と愛に裏打ちされた描写がたまりません。アシナさんのレビューにある「子どもの価値」がしっかり描かれているというのも数々の作品に共通していますね。
この本では、魚の絵は精緻で特に誇張があるわけでもないのに、さもありなんという性格付けがとても楽しいです。
好奇心旺盛なスズキ(魚)の子スイスイが同じく好奇心旺盛な人間の子供に捕まえられ水槽で飼われることになるまでの経緯、それを知った大人の魚たちの行動、子供の対応と成長がお話としてこちらの好奇心をどんどんくすぐってくれるので、魚に足がはえている様子など奇想天外のようでいて説得力のある魅力的な絵本でした。
終わり方も、単純に「良かったね」という感じじゃないところがまたいいんですよね。
スーイスーイスイ魚の子♪なんて歌いたくなります!?
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デザインの楽しみ
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投稿日:2008/09/26 |
ふれるものをみな芸術作品にしてしまうと言われたイタリアのブルーノさん、芸術的ではない感想になるけれど、ごめんなさい。
前にレビューした「きりのもりのもりのおく」と同じように、トレーシングペーパーを使った霧の風景の表現がとても素敵です。
(念のために言っておくと、これは1968年の作品ですから、「もり」よりずっと前に発表されています。)
霧の風景はここでは、森ではなく街です。霧の向こうに現れるのはサーカス!ここから今度は普通の紙になり、モダンな色調と丸い切り抜きを駆使した、白昼夢のような不思議なサーカスが始まります。終わると再び霧。
昔見たイタリア映画とフランス映画の混成のような「デザイン帳」と言ったら良いのでしょうか?
古書店でたまたま見つけて、とても得した気分です。
絶版のようですが、図書館などで見つけてみてください。
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影絵のおもしろさ
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投稿日:2008/09/20 |
全ページがトレーシングペーパーのような素材でできていて、表題の「霧の森」の雰囲気にぴったりです。影を見て、それは誰だろうと想像しながら進んでいくのですが、簡単にわかるとは言え、そこが影絵のおもしろさ、見えてない細かいところに、おお!という描写があります。それも含めて、登場するおとぎ話の面々が霧の向こうでどんな物語を繰り広げているのか、それぞれが創作するのも楽しいと思います。
ニック・シャラットさんの絵がかわいくて、さらに木坂涼さんの訳文のセンスもおもしろいです。
いろんな仕掛け絵本を見てきましたが、影絵というのは、2次元と3次元の融合という感じで、魅力的ですね。
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