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昔の農家の暮らしがわかった
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投稿日:2023/12/05 |
ヤギの育て方、種類、性質、ヤギ乳を使ったお料理、歴史などを教えてくれる学習絵本・実用書。
この絵本を読んで、「子どもの頃に、ヤギの乳を飲まされた」と言っていたおじさんの話が、ようやく現実として理解できた。
ヤギと言えば、うちも実家が農家だったし、近所も農家だったが、飼っている人がいなかったから、アニメの「アルプスの少女ハイジ」に出てくるキャラクターとしての印象しかなかった。大人になってから、フランス産のヤギ乳のチーズを食べる機会はあったが、ヤギと言う生き物について、そんなに知ったり、触れ合ったりする機会はないまま今に至る。
だから、知らないことがたくさんあった。
本書では、日本の農村で飼われていたヤギの様子がイキイキと描かれている。著者が子どもの頃は、ヤギは普通に飼育されていた動物だったという。
ヤギの出産や、世話、餌や病気について、そしてヤギを殺して肉として食べることについても、しっかり向き合って真面目に教えてくれる。食用として飼う場合、避けては通れぬ「と殺」については、「キミが決める」という言葉で、読者に判断をゆだねているところが、心に残った。
私は、動物を飼うと、どうしても「家族」だと思えてくるので、きっとヤギを飼ったら、最後まで家族の一員としてお世話をすると思った。
「ヤギは家族や親戚だけで食べきれる」という説明が、リアルだ。私たちのご先祖様は、モノのない時代、今よりもずっと不便だった時代に、動物と共に生きて、命をつないできた様子が想像できて、神妙な気分になった。
命というものについて、考えさせられる。
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「ちゃんとした」クリスマスがわかる絵本
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投稿日:2023/11/30 |
原書:1967年、日本語版:2007年刊行。
アメリカのニューヨーク生まれの作者が、クリスマスの起源やクリスマス前の習慣とキリスト教が普及した後の様子、イエス様の誕生の話(聖書)や、クリスマスの祝い方などを教えてくれる絵本。
11月、12月になると日本でもクリスマス・セールが世間をにぎわすが、「本当の」「ちゃんとした」「本場の」クリスマスとは違う、「年末の売り出し」行事の一環としてとらえられていると私は常々思っている。
本当のクリスマスを探して、日本の教会やヨーロッパなどにも行ったし、いくつか本も読んだが、本当のクリスマスなのか、そうではないのかが、よくわからないで今に至る。
本書は、アメリカ生まれの筆者が経験したクリスマスの過ごし方や、聖書の話、ヨーロッパの古い習慣とキリスト教伝来後の習慣の違い、人々の意識の移り変わりなどを、絵本というわかりやすい形で、簡潔にまとめてある。
日本では、表面的な派手さと、特別なご馳走を食べて、プレゼントをもらえる日というところだけが強調されているが、本来は昔の人の冬を乗り越えるための季節の行事や宗教や信仰、見えない偉大な存在を尊重する表現などがあったことが、しっかりわかった。
生き残ることが大変だった昔の人々の素朴な願い。
娯楽が少ない時代の人々が、純粋に楽しみにしていた様子が伝わる。
美しい絵と、丁寧な文章で、神妙な気持ちになるクリスマスの本。
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どんどん変わる不思議な生き物
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投稿日:2023/11/30 |
1992年刊行。
たまごから孵化して、オタマジャクシから、どんどんカエルになっていく様子を写真で紹介した絵本。
田舎で子ども時代を過ごしたので、田んぼには春にはカエルの卵とオタマジャクシと、いろんな生き物が大量にいて、楽しく遊んでいた。今は、田んぼも何もない殺風景な住宅街に住んでいるから、あの頃の体験はとても貴重なものだったとわかる。
本書は卵から黒い玉が、にょーっと細長くなって、ナマズみたいな格好になって透明な卵から出てきて、ずんずん大きくなって、エラがある不思議な深海魚のような形から、手足が生えて、しっぽがなくなり、カエルの形になるまでを、懇切丁寧に写真で見られる。
田舎でさんざん見たというのに、意外と細かい部分はしらなかったので驚きだ。
魚の時代と、両生類・爬虫類の時代を経験する不思議な生き物。そのうち、鳥類になり、哺乳類になり、人類になり、宇宙に飛び出ていくかもしれない…などと、空想してみると楽しい。
生き物はどれもまだまだ知らないことが多い。
本書は、楽しい文章と、興味深い写真で、好奇心が満たされる。大好きなシリーズ。
こういう本は、大人になってから改めて見ると、楽しみが倍増する。
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大事なモノは大事なモノ
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投稿日:2023/11/15 |
素晴らしい宝物を飾っておく部屋を作ったモリネズミのお話。
2013年刊行。(原書:2006年)
大人が読んでも、心に残る、ちょっと哲学的な絵本。
素敵なモノを集めて、集めて、自分の部屋をいっぱいにして、それを誰でも「見たい」人に見せてあげている。心が豊かな人生。
しかし、他人の意見を真に受けて、本当に素敵なモノを「つまらないもの」と思い込んで捨ててしまった。それからの彼の落胆ぶりと、周囲の人たちの反応が痛々しい。
いろんなことを考えさせられた。
自分の意見と、他人の意見は違う。
自分の人生なのだから、時には人の意見を聞くことも大事だが、一番大事なのは、自分が本当に大事にしているものを守り通すことだと思った。
あと、くよくよといつまでも後悔しないこと。
大事なことをいくつか教わった。
こういう風に自然な形で、心に大事なものが入って来る絵本に出会えてよかった。
話の内容は物静かな気がするが、その分、絵が派手で、いろんな細部にこだわりがあるので、絵を見ているだけでも楽しめると思う。
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生まれた後にうさぎになるのね
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投稿日:2023/10/31 |
うさぎの生まれたて〜6週間目までを、写真で紹介する学習絵本。成長の記録と、うさぎ本人のコメントが楽しい。
1992年刊行。(原書:1991年)。
生まれたては毛も生えておらず、目も明いていない。耳も短くてなんだか別の生き物のよう。1週間かけてようやくにこげ(和毛)が生えてきて、2週間目でようやくものを見たり、聞いたりできるようになった。
うさぎは生まれてから、時間をかけてうさぎになっていく。
その間、親がかいがいしく面倒をみる。親の姿はあまり載っていないが、そんな様子が伝わってきてほほえましい。
うさぎ本人になったつもりのコメントが書かれていて、これも素敵だった。初めて体験する世界を、どう感じているのか?
新鮮な気持ちと、命の賢さが感じられて楽しい。成長していくことで、自信をもって誇らしく生きていく様子がカッコいい。
上下と見返しにあるうさぎの絵は、楽しい雰囲気。
実際は、生きていく間にいろいろあるのだけど、こうやって平和に安心に、動物が成長していける世界があちこちにあることが一番いいと思っている。
このシリーズはいろんな動物の、知らない姿が見られるので大好きです。生き物は美しく、尊い。
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びっくりぽんな結末
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投稿日:2023/10/09 |
いもむし電車に乗って、終点まで行く話。
出発は「はたけ」、終点は「はなばたけ」。
途中に池や川、村など、いろいろな風景が見え、それぞれの場所で降りる人があって、それぞれの物語を作りに行くのだろう。電車に乗っている途中に見える風景にも、いろんな人物(動物、その他)があり、それぞれの暮らしがあり、生き方があるのが想像できる。
どこかに旅行に行く時に、長い道中、車窓から見える景色をぼんやり眺めて、あれこれ想像してみる感じが味わえた。
お話の結末が奇想天外・ビックリ仰天。
是非とも実際に本書のページをめくって体験して欲しい。
大人になってから自分の楽しみで絵本を読んでいるが、
こういう楽しくて、予想外の展開が待っている上、読後が爽快な作品は、心も体もすっかりリフレッシュできてうれしい。
まさかあんな結末とは…なかなかすごい事を考えたな、と作者の遊び心に感心。
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極彩色の人間ドラマ 悲喜劇こもごも
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投稿日:2023/09/26 |
インドで、路上で無料の図書館を長年行っているおじさんと、常連客の少女の話。
無料で文字を教えたり、教育が受けられなかった人たちのサポートをしている「まちかど図書館」のおじさん。
毎日1冊は本を読むことを楽しみにしている少女と、その友達たち。
学校の先生、アパートの住民、バスの運転手、選挙に立候補している人たち…それぞれの人生が鮮やかに目の前に広がり、それぞれの思いや、野望、来し方までもが見えてくる。
思ったことをはっきり表現して、人生を楽しみ、自分の哲学や大事にしているものをしっかり持って生きているインドの人々が、生き生きと描かれている。
お話は、インド映画のような大どんでん返しや、思わぬ展開にハラハラしながらも、最後はハッピーエンド。
文字が大きくて、そんなに長い話ではないのに、心に迫って来る場面が多く、考えさせられたり、感情移入するところが多くて、読み応えがあった。2時間くらいの映画を見たようにエネルギーを使った読書体験だった。
この話で一番心に残ったのは、おじさんの生き方。
教育者として大事な事や、人として大事なこと、ひとりひとりの幸せが地域社会や世界の幸せにつながることなどが、よくわかった。
本を通して、素晴らしい叡智に繋がり、主人公の少女と共に、読者も成長していける素敵な物語りだと思った。
キャラクターが全員、濃いので、その一人ひとりにも物語が想像できて楽しい。
生きることの厳しさや、人のずるさや面倒なところも、全部描かれていて、容赦なく人間を堪能できる物語でもある。
心に残った。
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あひるは生まれてすぐに何でもわかります
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投稿日:2023/09/20 |
あひるが卵から出て、黄色いひよこ時代を過ごして、産毛が抜けて羽が白くなり、大人と同じ大きさになるまでを紹介してくれる写真絵本。
原書:1991年、日本語版:1992年刊行。
あひるが卵からかえる場面が、「うんとこしょ」と出てきて、大仕事が終って、一息ついた感じが伝わってきて楽しい。
生まれてすぐに何でも見えるし、聞こえるし、立って歩ける。
二日目で池に入って泳げる。
水に入ったら、習いもしないのに泳げている。
あひるの生きる本能のすごさがわかる。
人間はあひるよりもゆっくり成長するから、何かできるようになるまで時間がかかる。あひると比べると、ずいぶんのんびりしている気がした。
あひると仲良くなった気がして、これからは、あひるも、あひる以外の鳥も、みんな尊い兄弟だと思って、大事にしよう。
表紙みかえしの、あひるの成長イラストも楽しくかわいい。
心が和む一冊。
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やることが多い、読者参加型絵本
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投稿日:2023/09/20 |
しりとりをしながら迷路を進む絵本。
ページを開くたびに、新しい主人公としりとりと迷路が待ち構えている。
しりとりのない普通の迷路もあり。
読者がぼ〜としていられない絵本。とにかくやることが多い。
まず、しりとりをする。しりとりをしながら、次のコマに進む。選択を間違うと、話が先に進まないでゲームオーバー。
もう一回やり直す。
またしりとり…と、ゴールにたどり着くまで、何度でも遊べる。結果を効率的に求めたい人には不向き(せっかちタイプはイライラするだろう)。
のんきに楽しく、なりゆきまかせで、絵を見たり、ことばやお話を考えたり、自分なりの話も考えてみたりしながら、ずっと楽しめるイベント。
こういう頭を使った楽しみを考えられる作者がスゴイ。
つっこみどころも満載で、ユーモアも多い。
楽しい気分になる遊びの絵本。
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人類最古の便利グッズ
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投稿日:2023/09/12 |
ヒョウタンの栽培方法を中心に、加工方法、世界のヒョウタンの使い方事例、いろいろな品種などを紹介する学習絵本。実用書。
最近、近所の産直・八百屋で、ヒョウタン(食用)が売られていた。ためしに食べてみた。ヒョウタンの他にヘチマやニガウリ、いろんな珍しい瓜があった。世界にはまだまだ見知らぬ植物があるのがわかって、楽しい。
味は、淡白。アジアではカレーにしたり、いろいろらしい。
次の時には、同じヒョウタンに張り紙がしてあった。「苦い時は食べないでください」。本書には食用のヒョウタンについてはあまり書かれていなかったが、殆どのヒョウタンは苦くて食べられないらしい。
たまに食べられるヒョウタンもあることを、実体験した。
誰でも食べているだろうヒョウタンは、かんぴょう。ユウガオの実を薄くむいて乾燥させたもの。
ヒョウタンは形も面白いが、利用法も面白い。
実を乾燥させて、入れ物や、お面などのアート、楽器など、さまざまに使う。
土器ができる前は、ヒョウタンの入れ物で水を運んでいたとか。さすがにその時代からは生きていないので、確認できないが、そうかもしれないと思った。
大昔からの便利グッズ。きっと、古代の人も、いろんな使い方を開発していたのではないだろうか(想像)。
栽培方法がメインの実用書だが、ただ読むだけでも楽しい本です。
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