世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.06.20
家族で囲む晩ごはん。ぼくは、思いっきりたべて、うんこして、ねる。生まれたばかりの妹も、一緒に暮らすねこもきんぎょも……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『たべて うんこして ねる』。食と人をテーマに創作活動を続ける夫婦ユニットはらぺこめがねが新しく手がけた絵本の内容は?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
大きなハンバーグにごはんにお味噌汁。家族で囲む晩ごはん。ぼくは、思いっきりたべて、うんこして、ねる。生まれたばかりの妹も、一緒に暮らすねこもきんぎょも、みんなたべて、うんこして、ねる。
大きくなったぼくたちは、公園に遊びに行くようになっても、学校に通うようになっても、たべて、うんこして、ねる。友だちも一緒に、たべて、うんこして、ねる。少し悲しいことや、寂しいことがあった時も、やっぱりぼくらは、たべて、うんこして、ねるのだ。
人は毎日たべて、うんこして、ねる。みんなそうして生きている。当たり前のことだけれど、そんな日々の営みを真ん中に置いたこの絵本を読んでいると、生きるって「たべて、うんこして、ねる」ことなんだと改めて思うのです。絵本を読んでいる子どもたちもみんな、「たべて、うんこして、ねる」毎日を送っているのです。そんなことを思うだけで、もうすべてが愛おしくなってくるのです。
作者は、食と人をテーマに創作活動を続ける夫婦ユニット、はらぺこめがね。普通のことだと思っていた毎日の繰り返しが、コロナ禍によって大きく揺らいでしまった今、絵本作家は何を思うのでしょう。
食欲をそそる迫力の食べ物が登場するシーンはもちろん、暮らしの中でまっすぐに力強く生きていく子どもたちの姿がとても印象的で心に残ります。彼らを包み込む日常の風景一つ一つまでもが読む人の心を力づけてくれる、そんな心強い一冊になっているのではないでしょうか。
昨日と今日がおんなじでも、ちがっても
大人はもちろん、どんなに小さな子どもたちだって、何事もなく一日を過ごすのはなかなか大変なことです。家の中にいたって、外で遊んでいたって、笑ったり、怒ったり、悩んだり、悲しんだり。そして、お腹がすいたり、トイレに行きたくなったり、眠たくなったり。それはもう忙しい毎日なのです。昨日と今日が全くおんなじこともあるし、昨日と今日が驚くほど変わってしまうことだってあるでしょう。でも、ご飯がおいしくて、うんこがちゃんと出て、朝までぐっすり寝られれば。この3つが出来ていれば、きっと大丈夫です。多分ね。ああ、ハンバーグおいしそう。
この書籍を作った人
2005年京都精華大学デザイン学科卒業後、グラフィックデザイナーを経て2008年にイラストレーターとして独立。2011年はらぺこめがねを結成。絵本に『フルーツポンチ』(ニジノ絵本屋)、『やきそばばんばん』(あかね書房)、『くだものさがしもの』(PHP研究所)、『かんぱい よっぱらい』(岩崎書店)、『みんなのおすし』(ポプラ社)、『にくのくに』(教育画劇)などがある。また、「ごちそんぐDJの音楽」(DJみそしるとMCごはん)のジャケットアートを担当するなど「食べ物と人」をテーマに幅広く活動している。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。