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- ためしよみ
絵本紹介
2023.08.22
焼けつくような太陽の日差し、うだるような暑さに文句ばかりが口をついてしまうとき。
かき氷、アイスクリームにジュース、ビール……? いえいえ、夏に効くのは冷たい食べ物、飲み物ばかりではありません。
怪談、お化け屋敷に肝だめし。そしてどうぞ、こちらの絵本を……。
ゾクゾク、ヒヤッ、ブルブルブル……。
ひとりで読めば冷感倍増、夜中に本を開けば一気に氷点下。
絵本で涼めるなんて、電気代や物価高が気になるこの夏に、なんともうれしい冷感対策です。
でも怖くて眠れなくなる寝不足にご注意を。凍えすぎて風邪などひかないようご用心を。
ほどほどの涼を求める方には、妖怪図鑑、お化けの迷路などの怖さひかえめな作品も揃えております。
みどころ
あそびに夢中になってたら、いつのまにかすっかりおそく……。
朝と夜との、あいだの時間。
安心できる朝とはちがう。危険なだけの夜ともちがう。
いちばん不気味な、その世界。
表紙をめくってあらわれる、真っ黒なページと、囁くように小さなタイトル……。
「ついてくる」
不穏も不穏……不吉も不吉……息さえひそめて、読み進めなければならないような……。
描かれているのは、帰り道を急ぐ主人公が見る景色です。
薄暗く、狭い路地。
橋の下を通る、川原の小道。
細く奥までつづく、ひと気のないトンネル。
暗がりの向こう……明かりのない窓のなか……うっかり目をこらせば、そこにいるなにかに気づいてしまいそうな、そんな気配に満ちています。
そして、主人公のうしろをついてくる、あやしい気配……。
ひた、ひた、ひた
かさ、かさ、かさ
あわててふりむくと……。
なあんだ、ひょうしぬけ。
それは猫だったり、ビニール袋だったり……。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。怖いことなんて、なんにも起こらない!
……でも、あれ?ねえ……どこに向かってるの?
意味がわかると怖い系? なんとはなしに不気味系? いえいえ、ちがいます。
怖い絵本はいろいろあるけど、これは誰もがゾクゾク、キャー! っと悲鳴の正統派。
あおりにあおった不安と恐怖が、ラストで芽を出し花咲かす……。
読んでるときにあやしい気配を感じても、怖がらなくても大丈夫! だってあなたの後ろにいるのは……。
この書籍を作った人
東京都出身。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。ドワーフというコマ撮りアニメーションのスタジオで監督をしたり絵を描いたりしています。好きな妖怪は河童。
出版社からの内容紹介
この世のものとは思えない、怖くて奇妙な出来事。ここは本当にぼくの町なの? それとも……。
一話一見開きで展開するたたみかける恐怖。
きみはつぎのページをめくれるか。
出版社からの内容紹介
1巻に、短編5、ショートショート15の計20の怖い話。4巻のテーマは「不吉」。何か得体の知れないものが潜んでいる、近づいてきている…そんな不穏な雰囲気が読者の恐怖を呼び起こす。そして、この巻の「怖いもの」はバラバラに姿を覗かせ、ラストでその恐怖の全貌を!
出版社からの内容紹介
奇才、藤田新策が描く、江戸川乱歩の世にも奇妙な物語。蜃気楼を見にいった私は、帰りの汽車の中で奇妙な絵をもつ異様な男に出会う。
128年前、仮想空間の少女に恋した男の物語。
出版社からの内容紹介
日本各地の老若男女72人から聞いた、本当にあった怖い話、怖くて切ない話、怖くてユーモラスな話を集めました。
海、山、都会など、その場所ならではの話を10のテーマに分け、見開き1ページの読み切り。
不可思議な体験は、その人の心に深く関係しています。
体験談を通してそこに住む人々の生活や心の動きまでも伝わってくるようです。
出版社からの内容紹介
今の世界に妖怪たちが姿をあらわしたら!? その原因に注目して妖怪を紹介する図鑑。案内役は、妖怪のとのさまの“ガマとの”だ。子どもと相撲をとりたがるかっぱや、汚い風呂にあらわれるあかなめなど、妖怪の特徴を文と絵でくわしく解説する。それぞれの妖怪にまつわる話や、出会ったときどうするかもわかる。妖怪にまちがえられた動物や、妖怪を退治した歴史上の人物も取り上げる。妖怪たちの声が今の時代に響いてくる一冊!
この書籍を作った人
1979年、福岡県生まれ。九州産業大学デザイン科卒業。18歳から作家活動をはじめ、イラストレーターとして国内外のさまざまな媒体の仕事を手がける。はじめての絵本『給食番長』が人気となり、シリーズ化。続刊に『飼育係長』『あいさつ団長』『おそうじ隊長』『サムソン先生のダジャレ英語学習帳』『ちこく姫』(いずれも長崎出版)がある。他の作品に、『おふろだいすき!ぷっぺ』(小学館)、『かみなり』(文・内田麟太郎/ポプラ社)、『ばあちゃんのおなか』(文・かさいまり/教育画劇)、『鬼のかいぎ』(文・立松和平/新樹社)、「ようかいガマとの」シリーズ(あかね書房)、『ぼくの兄ちゃん』(PHP研究所)、『でんせつの きょだいあんまんを はこべ』『ゆけ!ウチロボ!』(ともに作・サトシン/講談社)など。
みどころ
大ベストセラー「迷路シリーズ」の13冊目は……お化けがいっぱい!
魔よけの玉が、黒いつむじ風にうばわれ、街に妖怪たちがあらわれた。
「うひっひっひ……」「けけけ……」
わ、恐い! でもひろったお札を投げつけたら道が開いたぞ!
さあ、かくし絵やなぞなぞを楽しみながら迷路をすすむ冒険がはじまります。
「幽霊の学校」を通り、「迷いの森」を抜け、「お化け屋敷」へ。
おそってくるお化けたちにお札を投げながら先へすすむと「底なし沼」、そして「魔の山」。
迷路はまだまだ続きます。
きみは、魔よけの玉を取り戻し、「地獄の迷宮」を抜け出すことができるかな?
ゴールの先には、白く光り、上へのぼっていく階段が見えます!
いつものように迷路をすべて通り終えたら、もう1回最初から楽しめるクイズページをご覧下さい。
「みつけよう」「回文」「おまけクイズ」がそれぞれのページに盛り込まれているだけでなく、パラパラ漫画風の「うごくひとだま」など、作者の遊び心が随所に光ります。
これで終わりかとおもったら、なんと今回は「地獄の迷宮」から上へ伸びた階段の先に、大サービスの4ページ分のしかけページが!
大樹をのぼり天空へと続く、縦長の「天国の迷路」……。
これはファンにはたまらないサプライズです!
巻末には50ものお化けの名前と特徴を一覧化した「お化け紹介」、見返しには「お化けすごろく」もついています。
シリーズの中でも、お得!とおすすめしたくなる1冊です。
お友だちやおうちの人と遊び尽くしてくださいね。
この書籍を作った人
1959年、愛媛県生まれ。歴史考証イラストの専門家。 歴史雑誌や教科書などに多数の歴史考証イラストを描く。著書に「透視&断面イラスト日本の城」(世界文化社)など。切手や絵入り官製はがきでも多くの原画が採用されている。 かくし絵・迷路制作でも定評があり、著書の迷路絵本(『時の迷路』ほか5冊・PHP研究所)は、シリーズ100万部超のベストセラー。他の作品に『かずの冒険 野山編』(小学館)がある。
文:竹原雅子 編集:木村春子