●アリヤマ アリロウのイメージは松田優作?
─── こうたくさんの描いたアリ達も、一度見たら忘れられないくらいインパクト抜群ですよね。最初からこの姿だったんですか?
よしなが:サトシンさんからの依頼は最初、「カワイイ、ごく普通のアリで」っていうものだったんですよ。でも、このマッチョな絵を描いて編集部に見せたら通っちゃって…(笑)。「通っちゃったんだから、とことん行こう!」って勢いで最後まで来た感じですね。
─── 腕が4本あるところとか、最初はちょっとビックリするんですけど、見慣れてくると本当に生き生きと動いていて、躍動感が半端ないですよね。
よしなが:あと汗臭さとね…(笑)。
実はこの4本腕がメチャクチャ難しくて、ポーズをつけるための構図を考えるのが大変でした。つなを引っぱる場面とか敵に向かって槍を構えている場面とか、2本の腕は普通に道具を持ってるとして、他の2本はどうなっているのか…って考えるのが…。
下書きを描いているときはまだ楽しい部分もあるんですが、色を塗る段階になって、アリたちがたくさん出ているシーンに来たときには、気持ちが挫けそうになりました。
「うお〜〜!腕がいっぱいある〜〜〜」って(笑)。
─── たしかにこのあんまんを引っぱる場面は…大変ですよね。
よしなが:未来を考えないようにしてました(笑)。ずーっと、今描いている所だけが現実。
─── アリが古代エジプトのような文明を持っているという発想も面白いですよね。
よしなが:実は最初、サトシンさんにアリの絵を描いて見せたときには即ボツをくらったんですよ。
「そういう文明を持ったアリじゃないんだよ」って言われて…。
でも、後で編集さんからサトシンさんが「プロジェクトXみたいなイメージで」って言ってると聞いて、
「それで、かわいらしい絵だったらおかしいじゃないか!」って思ったんです。
─── だからこんなにマッチョなんですね…(笑)
よしなが:完全に土木業の親父達をフューチャーした、「力仕事のお父さんガンバレ!」という感じですよね(笑)。
その後、サトシンさんから「絶対に、あんまんが割れた"瞬間"を描いてくれ」ってリクエストがあって、「それ、普通のアリじゃ絶対にムリだろう!」と(笑)。知恵とか道具とか必要だろうと…。
そんな経緯があって、アリに文明を持たせることにしたんですよ、僕は。
─── アリ達の名前も「アリヤマ アリロウ」や「アリレオ アリレイ」という…(笑)。サトシンさんらしいダジャレが効いてて、ユニークですよね。そして、その名前に負けないキャラクターの濃さ…!(笑)
アリヤマアリロウにはモデルはいるんですか?
よしなが:サトシンさんの文章でアリロウは猛者だと書いてあったので、松田優作あたりをイメージして…。
─── え…? ま、松田優作ですか(困)。
よしなが:鼻が上向きなところとか…。
─── あーーー! 言われてみれば! なんか…雰囲気が(笑)
よしなが:これにアフロを付ければ、「探偵物語」が始まるんですよ(笑)。
─── (一同笑)
▲アリヤマ アリロウ。…松田優作に似てますか?