《スペシャルコンテンツ》インタビュー

●よしながさんからの質問、サトシンさんに答えていただきました！

Q：なぜ、この作品の絵を僕にしようと思ったのでしょうか？

サトシン：よしながさんの絵を初めて見たのは、やっぱり『給食番長』なのでした。その時は僕はまだ1冊目の絵本が出たばかりの時で、この先どうなるかもわからないような時期ではありましたが、当時よしながさんの住む福岡まで新潟から出向き、「今後もしかしたらよろしくどうぞ〜」のつもりでお話し、アトリエ見せていただいたりもしたくらい興味津々だったのでした。
迫力あるタッチとオリジナリティに一目惚れではあったんだけど、いざ組もうと思って企画を考えてみると、よしながさんの絵に合うお話ってなかなか難しいのです。あの絵にがっぷり組めるストーリーって…僕なりに思ったのは、ストレートで、ズシーンのドカーンときてバカーン！となるようなお話。
「でんせつのきょだいあんまん」の構想ができた時、まさにこれこそピッタンコ！と思ったのでした。

Q：出来上がった作品をみてどうですか？

サトシン：ストレートで、ズシーンのドカーンときてバカーン！となるようなお話にピッタンコな絵を描いていただきました。実は「でんせつのきょだいあんまん」、絵本に先行して、J-POPで様々なアーティストに楽曲を提供している作詞の前田たかひろさんらと絵本的な歌（「ソング絵本」と呼んでいます）をつくっているのですが、その曲調がビートを効かせた原住民的なうねりのある感じ。ラフが出てきた際、アリたちが擬人化されて原住民的ぽく描かれてるのを見てその符号に「おおおっ！」と驚いたのでした。
絵本の絵は嗜好品。好みはありますが、結果として僕の中ではよしなが作品中、一番好きな絵であり、絵本となりました。それが自分の関わったお話というのがなんたって嬉しいです。

─── 絵本ナビ読者の皆さんへ『でんせつのきょだいあんまんをはこべ』のみどころを教えてください！

サトシン：「でんせつのきょだいあんまん」は、言ってみればアリの世界の「プロジェクトＸ」。
フィクションではありますが、課題が生まれ、人々のために（いやまあアリたちのですけど）計画し、実現するまでの汗と涙と努力、そして困難に打ち勝っていく過程をダイナミックに、エンターティメントに描こうと思ったのでした。僕としても大のお気に入りの話となり、絵本になる前から、いろんな場所で小さいお友だちにも大きいお友だちにも「素話」として披露してきましたが、毎回ぐいぐい過程で惹きつけ、そしてヤマ場でドカーン！とウケます。ええ、そりゃもう「キモチええ〜！」ってくらいに。そこにもってきて、よしながさんの絵がついて。破壊力抜群の、子どもも大人も楽しめる、かつてなかったタイプのウルトラスペクタクル絵本になった感じがします。

─── サトシンさん、ありがとうございました！

（編集協力：木村春子）