●「ねこざかな」の誕生は1982年!?
─── 私がとってもユニークに感じるのは、ネコがさかなに食べられてしまっても、2匹仲良く「ふん ふ ふ ふーん」「にゃん にゃ にゃ にゃーん」とあっけらかーんとしているところなんです(笑)。
実は「ねこざかな」はかなり長く続いているシリーズなんですよね。
一番最初に出たのが1978年だから、今から30年以上前だよね。でも2作目の『おどるねこざかな』が出たのが2001年。1作目と2作目の間が20年近く開いてるんだよ(笑)。
─── そんなに長く間が開いている感じが全然しないですよね。1作目も2作目もすごくスムーズにつながっていて…。最初から続編を考えられたりはしてなかったんですか?
それが、全然してなかったんだよ。キャラクターもしっかりしているし、最後に死んじゃうわけじゃないし…、一番続編ができやすい作品だったんだけどねぇ(笑)。
ただ、当時は飲み込んじゃうとかがナンセンスすぎて、賛否両論あったろうね…。僕の中では、ボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞に推薦されてから日本で認知されたという感じがあったから。
─── そもそも、このさかなの口からネコの顔が出るという発想はどこから生まれたんですか?
「ねこざかな」は最初、教育出版(現・サンマーク出版)で出している母親向け雑誌『すくすく』用に考えたネタだったんです。そのときは、3匹のネコと1匹の大きな魚の対決だったんですよ。
その後、フレーベル館から月刊誌用に「何か面白い話を描いてください」…って依頼が来て、そのネコと魚の話をベースにすることにしたんです。
ただ、当時、馬場のぼるさんの『11ぴきのねこ』が発売されていたので、そのままのネタで作品を作っても似てしまうから、ネコ1匹と魚1匹の対決にしたらどうだろう…と考えました。
─── ネコと魚の一対一の対決を考えている内に、さかなに食べられるネコのお話が思い浮かんだんですか?
そうそう(笑)。お互いに背骨がない関係になってるのが面白いなぁ…って思って。
ちょうど同じ時期に僕は『たろうとつばき』(ポプラ社)という重厚な作品を作ってたんですよ。
それはすごく重く湿った感じで、僕の中の「陰」のイメージ。1枚描くのに3日も4日も閉じこもっていると、ふいにそういうものと対極をなす、明るい「陽」の絵をむしょうに描きたくなってくるんですよね。「あっけらかんか〜んというのをやりたい!ドライな絵本を!」って(笑)。
─── 確かに絵本の色彩も明るくてカラフルで、どこか外国の海という感じがします!
おはなしの中では「みなみのしま」ってことになっているんだよね。僕としてはハワイや地中海あたりをイメージしてます。…というのも、元々僕は外国の絵本を見てこの世界に入ってきたから。その影響が「ねこざかな」には強く出ているんですよ。