ベストセラー『数の悪魔』の作者と画家コンビの哲学絵本。 ビブス少年はときどきはらをたてる。部屋をちらかしっぱなしにして大きな音で音楽を聴いているお兄ちゃんに、ビブスの大きらいなキュウリをパンにのせるお母さんに、そして、ビブスのお気に入りのかっこいいナイフを取上げてしまったブロンメル先生に。そんなときは、いつも、洗たく室においてある洗たくカゴにかくれるんだ。誰もビブスがどこに行ったかわからないから。いまも洗たくカゴに入って、ドアのカギ穴から差してくる光を見つめているビブス。なぜまた洗たくカゴに入って怒っているのかって? 自転車をなくしたといって叱られたから。でも、ビブスのせいではないから。 洗たく室はまっくらだけど、何かを願って声に出すと、あら不思議。次から次へとそれが本当にそうなることにビブスは気づいた。つい、「何もかも消えてしまえ!」と言ってしまったら、地面が消えてしまってビブスは……
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