
実在の少女・典子の告白をもとに描く、「いじめ」とたたかった女子中学生と不思議な猫たちの物語。 学校では友だちや上級生だけでなく、教師からもいじめぬかれ、安らぎのあるはずの家庭でも、両親が離婚し、幼児期から激しい虐待を受けて育ってきた典子。図書館の本と、放送室で聴ける音楽だけを楽しみに、けなげに生きる典子に否応なくつづくいじめは、典子が耐えれば耐えるほどに、エスカレートしていく。しかし、あるときを境に、典子はがぜん強くなる。もうやられっぱなしの典子ではなくなるのだ。その典子をまるで援護するように、街のノラ猫たちが典子をいじめた者たちを追い詰め、恐怖におとしいれる。 給食にチョークの粉をまぜられ、トイレのモップで顔を拭かれ、お金を要求され、などは現実に典子に行われたこと。もしも自分が典子だったら、どこまでたえることができるだろうか? いじめる者の醜さ、弱さ、いじめられている者の悲しみがわかる本。

娘が図書館で借りてきたものを読みました(宗田理さんの本が
読みたかったようです)。重い話で、読んでいて苦しくなりました。
娘も憤慨していました。
それでも。
悲しい結末にならなかったのでよかったと思います。
これは元になった話(読者との手紙のやりとり)が
あったのだということを最後に知って。読んでいるのは
つらかったけれど(特に娘はそうだったと思う)、でも、こういう
現実があるのだということ、そして、作家でもスポーツ選手でも
芸能人でも、見ず知らずの誰かを支えることだってできるのだよね、
ということを知ることができてよかったのではないかと思います。 (ぽこさんママさん 50代・ママ 女の子11歳)
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