船で海を渡ってきた小さなワオキツネザル。港で檻をぬけだして、1けんの家に、えんとつからするりともぐりこみました。家の窓から見えたたくさんの観葉植物が、遠いふるさとのマダガスカルを思い出させたのです。 その晩から、家では食べ物がなくなったり物が散らかったり。何も知らない家族は、おかしな出来事を全部、家の小さな女の子のせいにします。 さてさて家の人たちが、小さなかわいい真犯人に気づくのはいつでしょう?
このお話は、作者のオフィーリア・レッドパスさんが、とある肖像画に着想を得て描かれたもの。それは、彼女の祖父が描いた、ワオキツネザルを抱いた大富豪の肖像画だったのだそう。 絵本の中で、小さなワオキツネザルが、夜中に長い長いしましまのしっぽをくねらせながら家中を探検する場面は、とても楽しく目が離せません。そして昼の間どこに隠れているかをページから探すのもお楽しみ。 こんなエキゾチックで愛らしいサルがある日家にやってきたら、と想像してワクワクしたり、知らない世界を好奇心いっぱいに探検するワオキツネザルの目線でドキドキしたり。ワオキツネザルと、家族の織りなすあたたかくユーモラスなお話を、いろんな目線で楽しんでみてください。 ケイトグリーナウェイ賞にノミネートされた、とても美しい絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
ふるさとのマダガスカルからとおい北のまちまでつれてこられてしまった、ちいさなワオキツネザル。まちにでたワオキツネザルは、一軒の家を気に入って、もぐりこみました。一方、家の人たちは、食べ物や花が少しずつなくなっていることに気づき…? イギリスを中心に活躍する画家が初めて手がけた絵本。ユーモラスで心あたたまるおはなしです。2014年ケイト・グリーナウェイ賞候補作。
ワオキツネザルは、何となくいたずら好きなイメージです。そのワオキツネザルが、最初、寒い船の中で寂しそうにしている姿に胸がきゅっとなりました。しかし、物語りが進むとやっぱりイメージ通りのいたずらをしてある家族を困らせます。悲しい最後にならなくてほっとしました。 (ままmamaママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子5歳、男の子3歳、女の子0歳)
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