佐藤さとるが「コロボックル物語」を書く10年以上前の青春期を描く。敗戦直前の疎開から、基地でのアルバイト、「小さい人」への初期からのこだわり、師匠との出会いなど1949年頃まで。初期短編「クリクルの話」「大男と小人」収録。
●編集者コメント 敗戦をはさんだ混乱の時代、作者は、いつの日か、日本の野山にむかしから住んでいるといわれる「小さな神様」に出会う物語を書こうと決心します。それはアイヌの伝説の「コロボックル(ふきの葉の下の人)」でもあり、調べると日本の神話に出てくる「少彦名(すくなびこな)」の神様とも重なってくるのでした。そして、10年以上の歳月を経て、『指輪物語』の「ホビット」よりも小さい、虫のように軽ろやかな日本の小さな神様「コロボックル」の物語『だれも知らない小さな国』が生まれるのです。
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