
「相馬野馬追」というお祭りをご存じですか? 福島県南相馬市を中心に開催される馬のお祭りで、戦国時代から千年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統文化行事です。
しかし、東日本大震災で、開催地の南相馬市が地震と津波に襲われただけでなく、福島第一原発の爆発により、家畜を残したまま家に戻れない事態に。伝統の馬の祭りは中止せざるをえなくなりました。
本書は、南相馬市の野馬追に深くかかわる家の少年に密着して書かかれたノンフィクションです。
掲載されている飼い主を失って、あばら骨が浮き出るほどにやせ細った馬たちの写真は本当に痛々しいものです。
あたり前だと思っていた日常や馬への愛情、地域をひとつに結ぶ伝統行事の大切さに、震災当時小学6年生だった少年が気づいていく成長物語です。
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