読まれなくなった物語の主人公シルヴィは、やけになって掟破りの行動にでる。久しぶりに本を開いてくれた読者を、挿絵のなかから見上げてしまったのだ。「本が開くぞー」というかけ声で幕を開ける摩訶不思議な物語。
表紙の絵に惹かれ、なにげなく一行目を読んでロックオン。絶対これ読む!と、他の本を放り出した。
最後まで楽しく読みました。
テーマ「お話を語り継ぐ」ということは、「記憶の継承」でもあるのですね。
その表現が斬新かつ納得で、図書館でもヤングアダルトコーナーに置いてあったとおり、物語を読んできた大人(ヤング含)がおもしろい本だと思います。
ラストまで息切れすることなく、ちゃぁんとまとまっております。
そうそう。私もいい本は、いくつになっても寄り添ってくれて、登場人物たちと成長できる物語だと思っています。
おもしろい話はいくつになってもおもしろいけど、その適応年齢で読むと成長を共に出来てもっと楽しい、そんな思考の持ち主。
おばあちゃんから孫へ、孫からその娘へ。語り継がれるお話の側から見た物語、かな。
私の記憶に眠るお話はなにかなぁ。彼らは元気に私の記憶の中を闊歩しているのでしょうか。夜見た夢を一緒に見ているのかなぁ。錆の病気になっていないかなぁ。
娘に、ちゃんと伝えているかなぁ。
そんな読後感。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳、 )
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