
チッチ、ブンブン、キーキー、ブクブク。 外に出てよく耳を澄ましてみると、その音はあちらこちらから聞こえてきます。 にぎやかで、温かい。そしてしっかりと守られている。 生き物たちの子育ての営みを支える、かけがえのない場所、巣。 その様子を、のぞいてみましょう。
鳥の卵にとって居心地のいい巣、目を凝らすと親鳥が集めているのは木の葉や枝ばかりではないみたい。 一緒に編みこまれているのは草や動物の毛、コケや植物の綿毛。これがふかふかの秘密なんですね。 敵から身を守るため、トゲの生えたサボテンに巣を作るのは、サボテンフクロウやサボテンミソサザイ。 立っているママやパパの足は・・・痛くないのでしょうか? ヤツメウナギの産卵場所は浅い川。吸盤のような口で石ころを動かして作ります。 野球ボールほどの大きさの石、はたしてどうやって動かすのでしょう。そして卵を産みつけると・・・!
生きものの生態を独自のまなざしで見つめ、詩的で抒情的な文章で、その存在を身近に感じさせてくれるダイアン・アストンと 精緻なのに温かく、色彩ゆたかな絵でのびやかに生きものたちを表現するシルビア・ロング。 小学校の教科書にも掲載されている『たまごのはなし』でおなじみのこの名コンビが最新作のテーマに選んだのは「巣」。 「ほかほかの」巣、「めだたない」巣、「よりあつまった」巣、「かりものの」巣。 鳥、ほ乳類、は虫類や両生類、魚に昆虫、彼らはそれぞれの特徴や暮らし方にぴったりの、産みやすい、育てやすい巣を作っています。 ページをめくりながら生きものによる巣の違い、その知恵に驚嘆し、ぬくもりと神秘に溢れたイラストは美しい画集を眺めるような気分に満たしてくれます。
パタパタ、ゴソゴソ、クーンクーン、巣はとてもにぎやか。 でもそれは、子どもたちが飛んだり泳いだり、歩いたりできるようになるまでのこと。 そして、巣は…? ラストシーンの静謐な余韻が胸に響くのは、 私たち人間も、精いっぱい子育てをする生物だから、かもしれませんね。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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泥の巣、紙の巣、浮き巣など、鳥類だけでなく、ほ乳類、は虫類、両生類、魚類、昆虫などの巣も紹介。驚きに満ちた生物たちの営みを眺めているうちに、どの巣もそれぞれの動物にとって最も居心地の良い作りになっていることに気づきます。あたたかいイラストの知識絵本。

このお話にはいろいろな鳥の巣がたくさん載っていました。日頃みることのない物も多かったのでうちの子は大興奮!!今思えば鳥の巣ってなかなか見ることができないのでこの絵本みたいに、絵でもいいから見ることができて、しかも解説してくれてあるこの絵本はすごいなって思いました。 (イカリサンカクさん 30代・ママ 男の子7歳)
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