馬小屋の2階に住む幼い少年ダイヤモンドのもとに、ある夜、美しい女性の姿をした北風があらわれる。ダイヤモンドは北風に抱かれ、ロンドンの上空や、荒れ狂う嵐の海へ。やがて少年は、北風のうしろの国へとむかう。
その不思議な世界からもどってきてから、ダイヤモンドは、ロンドンの貧しい暮らしにあえいでいる家族や友だちを助け、励ますようになる。北風のうしろの国で聞いた小川の歌や、即興の歌を口ずさみながら、老馬を御する。
空想と現実を自由にかけめぐる、19世紀イギリスの古典的名作を、脇明子さんの新訳でお届けします。アーサー・ヒューズの挿絵がふんだんに入ったぜいたくな2冊本。
カバー画は、佐竹美保さんの描き下ろしです。
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