てっちゃんは、にっぽんの大都会の、地面の下をはしるちかてつ。 駅に入ってブレーキをかけて シ、シ、シ、シウウウウ……。 ホームの向こうにはなかよしのかっちゃんもすべりこみます。 てっちゃんと、かっちゃんは、いつもここでいっしょになります。 「ちゃんと やってるかあ!」「ちゃんと やってるぞう!」 「じゃ!」「じゃ!」 声をかけあってかっちゃんと別れ、またてっちゃんは地下深くにもぐっていきます。
お客さんをたくさんのせて、毎日大忙しではたらく、ちかてつのてっちゃん。 てっちゃんは自分の仕事が誇りでした。 でもある日、おかしなことが起こりました。 かっちゃんがいつもの駅にこないのです。 次の日も、その次の日も。 それだけではなく新入り車両がやってきて、てっちゃんは車両基地に置きざりにされます。 こわい噂のとおり、かっちゃんも「くずてつ」にされちゃったの? ぼくも捨てられちゃうの? 船にのせられたてっちゃん。一体どうなるのでしょうか……!?
じつは本書に描かれているように日本の電車車両が外国で活躍していること、みなさんは知っていましたか? 作者の井上よう子さんは、そんな「地下鉄車両が、外国で第2の人生を送っている」という事実に着想を得てこのお話を書いたそうです。 尾崎玄一郎さんが描くてっちゃんは、大都会の地下でかっこよかったけれど……。 でも残念がることはありません。 太陽がかがやく外国にきたてっちゃん、とってもいい笑顔をしていますよ! 電車好きな小さい子どもたちはもちろんですが、小学生の子と読んでみるのも面白い本です。 てっちゃんやかっちゃんのこと、想像してみると、応援したくなりますね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
都会の地下を元気に走る、地下鉄のてっちゃん。でも新型車両が現れ、てっちゃんはお役御免に。 解体されるかと思ったら……船に揺られて海外へ!? 初めて見る青空の下で、日本の中古車両が再び大活躍!
頑丈で品質の良い日本の電車車両は、海外へ輸出され引き続き活躍しています。 このお話は、その様子を伝える新聞記事から着想を得て生まれました。 魅力的な電車のイラストも子どもたちの心を捉えます。地下鉄博物館(東京)への取材などを重ねてできた絵本です。
でんしゃ大好き!の息子のために購入。
電車の絵本って、あまりストーリー性のないものが多い中、この絵本はしっかりとしたお話で面白いし、物語の楽しさを子どもたちに伝えられることができて、買って正解の一冊でした。
千代田線?みたいなてっちゃんが、地下鉄沿線の我が家にはすごく身近で、イキイキと働いているところがいいです。
地下鉄の絵本って、あまりないかも?
子どもたちは、上からの視点や地下の中の絵など、電車の絵にバラエティがあって楽しいようです。
ハッピーエンディングが実話というのも、気持ちがいいです。 (でんしゃママさん 40代・ママ 男の子7歳、男の子5歳)
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