
使ったあとの綿棒そっくりなぼく、ダニエル13歳。アメフトはへたすぎて控えのキッカー兼給水係。勉強は得意だけど書けない数字がある。書くと悪いことが起きるから。寝る前に「儀式」を2、3時間する。しないと死んじゃうから。ぼくはヘンだ。でも、だれにもいえない。 作者は、主人公ダニエルと同じOCD(強迫性障害)に苦しんできた。だれにも話せず、ひとりで恐怖とたたかってきた。そんな作者からの若い人たちへのエールがこめられた作品。OCDにかぎらず、人は生きていくなかで、自分ではどうにもできない病気や問題にぶつかる。そういったとき、まわりのだれかに打ち明けて助けてもらうこと、ひとりぼっちじゃないと気づくことが、乗り越えるための大切な第一歩なのだという、作者からの力強いメッセージが心にしみる話題作。2017年エドガー賞児童図書部門受賞。
|