二年二組の担任のりょうた先生は、給食の時あまったごはんをおむすびにしてくれます。きれいな形じゃないし、塩もふりかけもかかっていません。でも、食べた子たちは口をそろえていうのです。「サイコー!」って。
かすみは、ずっとそのおかわり用のおむすびを食べてみたいと思っていました。だけど、きらいなものが多くて食べるのが遅いかすみにとっては、おにぎりを食べることは徒競走で一等になるくらい大変なのです。
かすみは、いつもおかわりをするげんちゃんと同じように給食を食べてみたら、おかわりができるかもしれないと思いつきました。ところが、食べ方をまねしてみても、げんちゃんが食べ終わった時にかすみの給食はまだ半分も残っていました。
げんちゃんにまねをしていたことがばれてしまったことから、友達のちなちゃんと三人で、おかわりのおにぎりを食べるための作戦会議をはじめました。ところが、おかわりへの道は険しいものでした。
3年生のクラスで全文読み聞かせしました。
読んでいる間中、クラスが水を打ったように静かで、この本に集中していることが伝わってきました。
先生が作ってくれるおにぎりが食べたいという子どもらしい一途な思いに共感できます。食べるのが遅い子にとっておかわりは、とてもハードルが高い出来事です。
この作品、かずみのおかわりへの道を助けるクラスメイトのチームワークがメインとなっています。
だからこそ、子どもたちの個性が光ってます。かずみを気にかけてくるげんちゃんやちなちゃんはクラスにいそうな子どもたちだし、子どもって一生懸命に頑張っている子にはとても優しいのです。
おにぎりを食べられるか?までの山あり谷ありがとてもドラマチック。最後読み聞かせしている自分がうるっとしてきてしまいました。
クラスの子どもたちに何か読んであげたいと思っている先生がいらしたら、ぜひこの本をお勧めします。
もちろん、保護者の方々にもお勧めです。我が家の高校生の息子も家に置いてあったら読んでいますいた。 (はなびやさん 50代・ママ 男の子17歳)
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