
小学6年生の知希は、父さんの転勤で、父さんと二人、都会から離島に引っ越してきた。転校して初めての夏休みを迎える。 港で一人魚釣りをしていると、柄の悪い二人の同級生が話しかけてきた。最初は距離を置いていた知希だが、乱暴そうながらどこか通じ合うものを感じ、仲間として過ごすようになる。 そのうちの一人、英治は、巨大な「幽霊魚」の伝説を信じ、それを見つけて釣り上げることに情熱を傾けていた。「釣り上げれば、大事なものをぜんぶ取り返せる」と言って……。
幻の「幽霊魚」をモチーフに少年の自立と成長を描く、正統派児童文学作品。
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