
丘の上にある古ぼけた洋館の前に、このあたりではみかけない母親と娘が立っていました。 母親のほうは、黒ぶちのめがねをかけた一見インテリふうの女の人です。 そして娘のほうは、くせのある髪の毛が、頭のあちこちでホイップクリームみたいにとんがっている女の子です。 女の子の名前は、《はるか》といいました。 「ここが今日からわたしたちの家なの?」 はるかは、大きな目をいそがしく動かしています。 「そうよ。ちょっと古いけど、なかは、けっこういい感じなの。それに、お安く貸してもらえたしね。」 「やだ、ママ。まさかこの家、オバケがでるんじゃないでしょうね。」 はるかは思わずそうさけびました。─本文より。 【目次】 1、わたしたちの家 2、新しい出会い 3,ワロンのひみつ 4,ワロンのスープ 5,料理コーナーの大騒動 6,ナツメちゃん 7,おそろしい病 8,あそびにおいでよ! 9,ちょっとだけ、つづきのお話 シングルマザーで料理研究家のママと小四のはるかは、訳ありの古い洋館に越してきた。そこのキッチンに棲み着いていたのは、オバケ、ではなく、鍋にやどる妖精の一族、ワロン一家!ワロンお姉さんのココア、お母さんのスープにクッキー。鍋の妖精家族の不思議な美味しい魔法のお料理は、人間達の心をみるみる素敵に変えていく・・・。楽しくて美味しくて、ほろっと優しい物語。『ふたり』の福田隆浩氏、初の中学年童話シリーズ!

小学校2〜3年生くらいから楽しめる児童書に思いました。
妖精のワロン一家と人間の母子,本ならではの楽しさがあるお話です。
イラストも現代っぽく,人間の女の子も小学4年生ということなので,小学生の女の子は親近感を持ちながら読めそうですね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子8歳)
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