お待ちかね、タンタンの最新刊の舞台はアフリカのコンゴです。この作品は「タンタン ソビエトへ」に続くシリーズ2作目に作られたお話だそうです。1930年に連載されたものが単行本へ、更に1946年に全面的に改訂されて現在のカラー版になったようです。 少年記者タンタンは今回も相棒スノーウィと共にアフリカを舞台に様々な敵や危険に遭いながらも生き生きと縦横無尽に走り回っています。現地の人達とのスリルあるやりとり、敵に狙われながらも小気味良くやっつけてしまうさま、それから当然ながら次々と登場する動物達。見所満載の上に一コマ一コマじっくり見ても楽しめる映画の様な質の高さが魅力です。 このお話が長い事翻訳されていなかった原因として、当時ベルギーの植民地であった事も影響して黒人であるコンゴの人々の描き方に偏見が見られるという事。もうひとつ、動物の狩りへの考え方が時代が変わった今では少し違和感があるという事です。ただ解説でも触れられている通り、歴史的背景や少し前には当たり前だった間違った考えをしっかり受け止めることも大切なのかもしれません。 勿論、偏見なんて初めからない子供達の新鮮な目には、大人とは全く違ったアフリカの大きな懐を感じながら楽しめるのでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
アフリカのコンゴへと向かった少年記者タンタンと愛犬スノーウィを待ち受けていたのは、 猛獣たちだけでなく、タンタンを目の敵にする悪人たちの罠だった。危うしタンタン!
タンタンシリーズは、「なぞのユニコーン号」以来2冊目です。
少年・タンタンは知恵も勇気もあり、大人顔まけなのが、子どもにとって嬉しいみたいです。
ただ、小さなコマ割りの漫画なので、読み聞かせする大人は読む分量が多く辛いかなと思います。
タンタンがアフリカのコンゴへ少年記者として赴任します。
「はじめに」と「あとがき」にも説明がありますが、植民地時代のアフリカなのでアフリカ人に対してヨーロッパ人の偏見が垣間見えること、動物を簡単に射撃してしまうのは当時射撃がスポーツとして扱われていたことなどで、「良い子には読ませたくない本」としてみなされてきたことを知りました。
現代の感覚でいうと、大人の方が違和感を感じる点があるかと思いますが、息子は、人を騙す呪術師に、タンタンが立ち向うところなどを、興味深く見ていました。
子どもでありながら、大人からも一目おかれる度胸や知恵があること、そこに子ども心を揺さぶるものがあるように思いました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子6歳)
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