日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第3巻。
アン18歳、ギルバートとカナダ本土の大学へ。美しい港町、新しい友フィル、パティの家での楽しい共同生活。
娘盛りのアンは、貴公子ロイに一目惚れされ、青年たちに6回求婚される。やがて真実の愛に目ざめ、初めての口づけへ……。
英文学と聖書からの引用を解説した日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ、恋に胸ときめく第3巻!
アンが語る幸せな生き方 「そうね」アンはゆっくり話し出した。「小さな困難は、笑いのたねと見なすこと、そして大きな困難は、勝利の予兆と考えること。……」第37章「一人前の学士たち」
特徴1)日本初の全文訳 英国詩人テニスンが欧州童話「眠り姫」をモチーフに書いた詩の4行に始まり、同じくテニスンの詩の一節「愛は砂時計を持ちあげる」の章題に終わる、日本初の全文訳。 冒頭の詩は、この小説で、アンが少女という眠りから大人の女性へ目ざめ、真実の王子とキスをして結ばれる結末を暗示する。さらに最終章の章題「愛は砂時計を持ちあげる」(本邦初訳)は、アンと「王子」の愛が砂時計を持ちあげ、「眠りの城」で止まっていた二人の愛の時間が新しく流れ始めることを伝える。
特徴2)巻末訳註324項目 作中に引用されるシェイクスピア劇と英米詩の古典、聖書の名句、移民国家カナダにおける各登場人物の民族、19世紀カナダの料理・菓子・手芸、暮らし、草花、衣服、プリンス・エドワード島とノヴァ・スコシア州の歴史、地理、社会、キリスト教、ケルトとアーサー王伝説など、全41章から324項目について、69頁にわたる訳註で、わかりやすく解説。
特徴3)口絵写真14点と地図2点 『アンの愛情』の主な舞台はアン・シリーズで唯一、プリンス・エドワード島州ではなく、カナダ本土のノヴァ・スコシア州ハリファクス(小説中ではキングスポートという地名)。 訳者が現地を取材して撮影した小説の舞台の写真(アンが通う大学のモデル、下宿前の墓地公園、ギルバートと散歩する海岸公園、求婚されるあずまや、パティの家の豪邸街)と作中の品々(求婚の花メイフラワー、モンゴメリ家に伝わるゴグとマゴグとの片方)、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の牧師館など、写真14点。カナダ東海岸の地図と島の地図を収載。
特徴4)あとがき……小説をより深く、楽しく読むために…… 一、物語の魅力 二、物語の舞台ハリファクス、エヴァンジェリンの土地 三、スコットランド系とアイルランド系の物語 四、ケルトとアーサー王伝説、ゴグとマゴグ 五、キリスト教文学としての『赤毛のアン』シリーズ 六、ケルト・キリスト教を象徴する聖カスバート 七、『アンの青春』の最後と『アンの愛情』の冒頭のつながり 八、ハリファクスに二度暮らしたモンゴメリ 学生、新聞記者として 九、執筆前後のモンゴメリ
松本訳の旧訳の訳文と訳註を改訂した新訳。娘盛りのアン、ロマンチックな4年間の恋の物語!
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