中国古典は、知恵の宝庫である。その中でもよく知られた作品について、コンパクトにわかりやすく編集解説した、誰にも気軽に読めるシリーズ。総ルビ付きの書き下し文、現代語訳、作品の背景も懇切に説明するなど、どこの部分から読んでも楽しめる構成となっている。 「易経」は、「易」「周易」とも呼ばれる。古くは民間の占いに用いられていた占筮書であったが、のちに儒家に取り入れられ、長い間、儒教の経典として広く読まれた。「易」はメタファーの世界である。あらゆる現象を陰陽消長の理によって解釈し、日常の言語では把握し得ない天地自然の動きを隠喩・暗喩・象徴体系によって表しているため、難解と思われがちであるが、本書では、できる限り平易な解説を試みた。豊かな想像力を広げて、「易」の世界を鳥瞰していただきたい。
|