クワガタムシは、強くてかっこいい。 まさに昆虫の王。
そんなイメージだけで、クワガタムシを知った気になっていたような気がします。 たぶん間違ってはいないけれど、それがクワガタムシのすべてではないのです。 この絵本は、クワガタムシの生態について学びながら、 クワガタムシの人生(虫生?)を物語として楽しめる、まさにドキュメンタリーのような作品です。
イノシシがクワガタムシの幼虫たちに忍びよるシーンなんて、いったいどうなってしまうのかと心配で、ページをめくるのをためらってしまうほど。 そんなドラマティックな絵本ですが、なんといっても魅力なのは、クワガタムシの絵! とっても迫力満点!! それなのに、どこかコミカルで愛らしい。
飛ぶ姿、オオスズメバチに追い立てられる姿、木から落ちる姿…… かっこいい大あご(ツノのような部分)も、みんなちょっとずつ違っていてユーモラス。
昆虫の中でも特別だと思っていたクワガタムシの生活を知ることで、 遠い存在のスターに親近感を覚えたような、そんな感覚になります。
夏に読めば今すぐ森に出かけたくなり、冬に読めば眠っている幼虫に思いを馳せてみたくなる。 夏じゃなくても1年中楽しめる1冊です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
夏の森のある日、くわがたむしは、1年間の長い眠りから覚め、土の中から出てきます。さあ、これから、くわがたむしに待っているのは、どんなドラマでしょう? 人間たちの知らないむしたちのドラマを描く絵本第2弾です。
表紙のくわがたが豪快で、気になりました。
くわがたの一生を追ったドラマチックなお話。
お話とは別に、注釈としてくわがたの生態が解説されています。
物語と図鑑の間のような本です。
くわがた好きの息子は「知ってる知ってる」と嬉しそうでした。
タイトルには「なつ」とありますが、季節を問わずに楽しめる絵本だと思います。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子14歳、男の子11歳)
|