近年、生活水準の高度な発達により、人間関係や生活環境も複雑化してきています。それを受けて近隣紛争も増加し、内容も多様化しています。 従来は境界や通行権、水の利用をめぐる問題等が主でしたが、最近では騒音、日照権、ゴミ、ペットの問題、景観の保護等、生活環境に関する紛争が目立つようになりました。紛争内容も、より深刻化しているケースが増えているようです。 毎日顔をあわせる人を相手とする近隣トラブルは、一度こじれると感情的になり、泥沼の紛争になりかねません。 隣り近所のトラブルは、話し合いで解決するのに越したことはありませんが、いったんこじれるとなかなかそうはいきません。 また、話し合いをするにも、そもそも紛争の事実と自分の権利との関係はどのようになっているのか、紛争を解決するにはどのような方法があるのかを理解していなければ、無意味な主張をするだけに終わってしまい、解決に結びつきません。 そこで本書では、紛争の予防と早期解決のための方法を、具体的実例や最新の情報をもとに分かりやすく解説することに努めました。本書が隣り近所の問題で悩む人の一助になれば幸いです。
※本書は2020年7月20日現在の法制度情報に基づいています。
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