名作の陰に炎上あり! 不倫、DV、薬物、同性愛、毒親、なんでもあり、炎上文豪オールスター大集結! 文豪たちは苦しみ、悶え、それらを作品として昇華させた。 文豪たちのあの作品はこうして生まれたのだ! ドロドロの中でこそ文学はきらめく。彼らの「炎上キーワード」をひもとき、その言葉を使わざるを得なかった彼らの人生の一時期を紹介。 彼らの知られざる一面に触れる時、文学の面白さは格段にアップする。
【目次より】 ●炎上案件1 太宰治と「憤怒」/見苦しいほどの功名心と金欠 ●炎上案件2 島村抱月と松井須磨子の「逢う」/劇作家との愛を演じ切った女優の縊死 ●炎上案件3 国木田独歩の「恋」/真面目で一途な独歩が二度の結婚で知ったこと ●炎上案件4 田山花袋と永代美知代「噂」/『布団』で人生が狂ったヒロインのモデル ●炎上案件5 与謝野晶子の「晦渋(かいじゅう)」/師への激しい恋心を読んだ女性たち ●炎上案件6 有島武郎の「希う」/『惜しみなく愛は奪ふ』波多野秋子との無理心中 ●炎上案件7 鈴木三重吉の「腐れ縁」/飲めば暴れる三重吉と二番目の妻・らく子 ●炎上案件8 らいてうへの紅吉の「赦(ゆる)し」/カミングアウトした同性愛 ●炎上案件9 漱石の長女と久米正雄の「機」/筆子をめぐる久米正雄と松岡譲の恋愛事件 ●炎上案件10 北原白秋の「謬(あやま)る」/隣家の人妻との道ならぬ関係 ●炎上案件11 石川啄木の「成心」/借金王啄木が求めたもの ●炎上案件12 川端康成の「眠り」/川端の死は自殺だったのか事故だったのか ●炎上案件13 森鴎外の「瑕瑾(かきん)」/「舞姫」の小さなキズとは何か ●炎上案件14 夏目家の「贅沢」/漱石の生前没後の経済 ●炎上案件15 三島由紀夫の「誇示」/ひた隠しにした出自のコンプレックス ●炎上案件16 伊藤整の「猥褻」/『チャタレイ夫人の恋人』はエロ本か文学作品か ●炎上案件17 永井荷風の「累」/父親への嫌悪から選んだ生き方 ●炎上案件18 徳富蘆花の「絶交」/偉大な兄・蘇峰との確執 ●炎上案件19 山田美妙の「窃(ひそ)かに」/文壇をリードした美妙の惨めな最期 ●炎上案件20 島崎藤村の「別離」/教え子との実らなかった恋
【著者プロフィール】山口謠司(やまぐち ようじ) 大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。1963年、長崎県生まれ。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は、文献学、書誌学、日本語史など。著作多数。『日本語を作った男 上田万年とその時代』(集英社インターナショナル)で第29回和辻哲郎文化賞受賞。
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