東日本大震災から10年。若い世代には当時の記憶をもたない人も増えてきました。大地震はまた必ず起こります。しかしその科学的メカニズムを理解して適切に備えれば、被害はおさえられるのです。地震の起きるしくみや歴史的な巨大地震、今後予想される地震や必要な備えを、著名な科学者がわかりやすい言葉で解説します。
■著者からのメッセージ 10年前に東日本大震災という大きな地震が起きました。そのあと日本では地震と火山の噴火がさかんに起きています。この本では地震がなぜ起きるのか、そもそも地球とは何なのかを、分かりやすく説明します。私は地球の科学者で、京都大学で24年間「地学」を教えてきました。地学とは地球の学問で、これによって地球の動きがわかってきたのです。 この本では地震が起きる科学的なしくみを、初めての読者にも苦労なしで読めるように書きました。地下の内部がどのようになっており、どんな現象が起きているのかを知っておけば、急にやってくる地震にもうろたえることが少なくなります。 これからの日本で安全にくらすには、今からどのような準備をすれば良いのかについても述べました。本書を読んだあとは、自分で考えたり、友人と話したり、図書館で勉強したりしてほしいと思います。この本で地球のふしぎについて興味を持ってくれることを願っています。
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