江戸幕府の旗本の次男として生まれた榎本武揚は、蘭学や英語を学び、黒船の来航や蝦夷地巡視の経験を経て、世界の中の日本を強く意識する。その後、長崎海軍伝習所へ入所し、オランダへ留学。五年後、帰国した武揚を待っていたのは、倒幕運動で弱体化した幕府だった。そして鳥羽・伏見の戦いが勃発。武揚は明治新政府に敗れて敗れて仕事を失った旧幕臣のため、蝦夷地開拓を掲げて箱館戦争を戦った。敗戦後、武揚は投獄されるが、彼の持つ卓越した国際知識や科学技術などの知識を望まれ、新政府で働くこととなる。北海道開拓、ロシアとの外交を経て、大臣を歴任。工業、農業、科学など、幅広い分野で大きな功績を残し、武揚は日本の近代化に尽くした。波乱に満ちた榎本武揚の生涯を鮮やかに描く!
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