青い帽子に丸メガネ、赤い自転車がトレードマーク! ホカリさんは、小さな町の郵便屋さんです。 季節は夏、暑い午後。 きょうもホカリさんは、自転車に乗って町中に手紙を届けています。
と、そこに── 「ゆうびんやさーん、ゆうびんやさーん」 ホカリさんを呼ぶ声が聞こえてきました。
手紙のことなら、なんだってお手伝いしたいホカリさん。 今日は、だれがどんなお手紙を書いたのでしょう?
「ゆうびんやのホカリさんシリーズ」第三弾!
友だちに「冒険のお手紙」を書くため、町中をめぐるホカリさんの自転車に乗せてほしいと頼んだのは、小さなカマキリ。目に映るなにもかもが新鮮なカマキリは、冒険に大はしゃぎ! ところが、いっしょうけんめい書いた手紙が風に飛ばされてしまって──『かまきりのてがみ』
山に住む子リスから、友だちに手紙を届けてほしいとたのまれたホカリさん。ところが、その友だちというのは「やまびこ」! 子リスは、呼びかけに答えてくれるその声を、友だちだと思い込んでいたのです。「やまびこ」に手紙を届けられるはずもなく、困ったホカリさんは──『やまのおてがみ』
手紙がほしくて、海に向かってお手紙をくださいと呼びかけていた、カニの子。念願のお手紙が海から届いた! その手紙を読んでほしいとたのまれたホカリさんだったのですが……ふしぎな文字で、ぜんぜん読めない! でもこの文字って……もしかして──『はまべのてがみ』
町の小さな住民たちの、手紙にまつわる三つのお話。 友だちとの手紙のやりとりがうれしくてたまらない、小さな住民たちの様子にホッコリ……。 デジタルなテキストのやりとりとは少しちがう、レトロな心の通わせ方が、なんだかうらやましく思えてきます!
トラブル、難題、なんのその! お手紙のことはなんでも、ホカリさんにおまかせ!
(堀井拓馬 小説家)
ゆうびんやの ホカリさんが 暑い夏の日の午後に自転車で手紙を配達していると、どこからか、ホカリさんを呼ぶ声が聞こえてきました。 ホカリさんは、小さなカマキリや、こりすや、海からの手紙をとどけます。
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