退屈なときは時間がいつまでも進まず、楽しいときはあっというまに過ぎてしまいます。そのときの感情によって、ひとりひとりが感じる時間の長さは変わります。
でも、それとは反対の「客観的な時間」も存在します。 「いま、何時なの?」 この質問に答えるために、人びとは試行錯誤を繰り返しながら時間を計る道具を発明してきました。時間ごとに変わる影の長さを利用した日時計、歯車を組み合わせた機械式の時計、そして数億年に1秒しかずれない原子時計……。
でも、ちょっと待ってください! どうしてそこまで正確に時間を計る必要があるのでしょう? ヨーロッパでは、18世紀ごろまでは時を知らせる教会の鐘の音が聞こえるところまでが、ぴったり同じ時間を使える範囲でした。ほとんどの人が同じ村で一生を終える時代では、遠く離れた場所までぴったり同じ時間である必要はなかったのです。 ところが19世紀に鉄道が発達すると、鉄道沿いに電信網が張り巡らされて、やっと広い範囲で「ぴったり同じ時間」が使えるようになりました……。
こんな楽しい時間のお話がこの本にはいっぱい! そのほかにも、生物の命の時間、わたしたちの祖先や子孫の時間、夢の中の時間、そしてアインシュタインの発見……いろんな時間の秘密が詰め込まれた、楽しい学習しかけ絵本です。科学と論理的思考が学べるので、子どもも大人も一緒に時間の謎に挑戦してください。
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