本書は、子どもたちが「数の概念」を自ら発見する喜びを育む、今までにない数のドリルです。 かわいいイラストを効果的に使った学習で、「1から20までの数を声に出して読める(数唱)」「1から20までの数字を書ける(なぞり書き)」「1から10までの数量をイメージできる(量的把握)」「ものによって異なる数字・呼び名(個や枚、冊など助数詞)が理解できる」ようになります。
正解を与えて覚えさせるのではなく、自ら考える能力を養うことで「創造的な脳の発達」を促し、『算数の言葉で思考するための脳』を育て「論理力・思考力」をさらに向上させます。
2歳から6歳までの時期に、「かずとけいさん」シリーズ(水王舎刊)といっしょに取り組むと効果的です。
数字も言葉のひとつ。言語は違っても、国語が論理ならば算数も論理である! 幼児期に習得しておくべき「自然言語の国語」=「言葉」と「人工言語の算数」=「数」。
幼児期に大切なのは、計算力や速さを競うこれまでの算数を学ぶことではありません。 「国語の自然言語」と「算数の人工言語」両方を同時に学び「世界を理解する・整理する・考えて表現する」ことです。
そもそも、数って何?
数字は「数を表現するための文字・記号」として利用される抽象的な概念なので、幼児には理解しづらく、「これが3です」という具体的な姿を見ることができないため、見聞きするだけでは数の概念は幼児に定着しません。
数字の大小はわからなくても、りんご3個(具体)を見て「何個ありますか?」と聞かれ、三角形に並んでいても、横一列に並んでいても、縦一列に並んでいても、自然数の「3」(抽象)に変わりないことを「ぱっと見てわかる」のが数の概念です。
「りんご・りんご・りんご」 「ケーキ・ケーキ・ケーキ」 「犬・犬・犬」 共通する要素は「同じものが3つ並んで」いて「数が同じ」点です。 抽象された「共通する要素」=「性質」が「数の3」となり、それを「3」と書き「さん」と読みます(数唱)。
「さん」と数えること「数唱(数詞)」は知っていても、「3」という算数言語である「自然数の概念」と「1個、2個、3個」という「数量」を一致させるのは幼児にとって難しく、最初からできる子はいません。
「数唱・数・数量」を一致させて理解するためにはどうすればよいか?
「リンゴが3つに、ミカンが2つ、合わせていくつ?」は国語の言葉。 「3+2=5」は算数の言葉。「国語の言葉→算数の言葉」は「具体→抽象」という頭の働き。 文章題は「国語の言葉」を「算数の言葉に翻訳」する作業。 先ずは幼児でも理解しやすいように、数の大小が目に見えるリンゴなどの具体物を使って数を示し、次に「リンゴが3個」(具体)から、りんごのあらゆる属性を捨象し「3」だけを抽出する「具体→抽象」が必要です。これは「論理的思考」の出発点でもあります。
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