猫は猫、人は人でありながら同じ社会で暮らしている不思議な世界を描く「ねこのオーランドー」シリーズ。主人公は猫のオーランドーとその家族です。
猫一家のお父さんであるオーランドー。雪の降る寒い夜、道路工事の穴に人が落ちないようにと見張りをしているピュージーさん(こちらは人です)のところへ、話相手になりに行きます。そこでオーランドーはうっかりパラフィン油を浴びて、腰から下の毛が抜け落ちてしまいます。
毛がなくなって恥ずかしいオーランドーは、ベッドにもぐって寝たままの日々。妻のグレイスはかわいそうに思い、毛糸のズボンを編んであげることにしました。でもズボンの完成までには時間がかかります。子猫たちは、寝ることに飽きてしまったオーランドーのために自分が見た夢を話して聞かせますが、それもすぐに終わってしまいます。そこで、子猫のティンクルはオーランドーに昔の話をしてもらうことを思いつきます。誰だって自分の話をするのが好きだから。
アルバムの写真を見ながら、一つ一つの思い出を語るオーランドー。自分の昔話をするときって、なぜだか照れくさくも誇らしい気持ちになりますよね。きっとオーランドーも話をしているうちに自尊心を取りもどしたのでしょう。楽しそうに語って聞かせる様子は、とっても満足そうです。
猫も人も、お互いがお互いを思いやって感謝を伝え合いながら、時にはいたずらしたり欲ばりになったり。そんな愛おしい絵本の世界に触れて、穏やかな時間を過ごしてみませんか。
(近野明日花 絵本ナビライター)
冬の寒い日、うっかり灯油をかぶってしまったオーランドーは、こしから下の毛が全部抜け落ちてしましました。落ち込むオーランドーに、妻のグレイスは体の柄そっくりの毛糸のズボンを編みはじめ、子どもたちもお父さんをなんとか励まそうと奮闘します。夫婦や家族の愛にあふれたお話です。
我が家にずっとあるねこのオーランドの絵本は、縦長の大きな大きなサイズのものです。
最近出版されている、横長の普通サイズの新しいシリーズも楽しいので、いろいろ読んでいます。
うっかり油の中に落ちてしまったオーランドー。次の日、オーランドーの体半分の毛が抜けてしまって……。
今回は家族に助けられるオーランドー。一家の中の良さがよくわかるエピソードでした。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子15歳)
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