見た目は甘そう、フルーツふれんず! だけど悩みは、甘くない。
スイカにブドウ、モモやキウイも。みんななかよし、フルーツふれんず! こんどの主人公は、イガグリくん。すこしおおざっぱなところはあるけれど、いざというときにはたよりになる、元気がとりえの男の子です。
だけどなんだか浮かない顔なのは、身に覚えのないことで、おかあさんに叱られたせい。
「おまえ、学校で、ともだちに いじわるしてるんだって」
イガグリくんが、スターフルーツのスターくんにらんぼうなことを言ったらしいと、モモちゃんのママから聞いたといいます。 言ったかもしれないし、言ってないかもしれないし……。なんのことだかよくわからない、イガグリくん。
スターくんは、今日だっていっしょに遊んだのに。それに、モモちゃんが告げ口したってこと? 考えれば考えるほど、気持ちはもやもやしていきます。
翌日、クラスのみんなでそのことについて話し合いをしますが、なにがいけなかったのか、どうすればいいのか、みんなの意見はまとまりません。
キウイちゃんだって、こないだいっしょにあそんでて、スターを泣かせた。ブドウくんだって、あそぶときには、おれよりらんぼうなことがある。それなのに、どうしておればっかり!
おとなでも答えを出すのはむずかしいけど、子どもの世界にだって当たり前にある悩み。そんな悩みに、真剣に向き合う子どもたちを描いた「フルーツふれんず」シリーズ、4作目です。
だれかが悪いということでもないけれど、嫌な気持ちになっちゃった人は、たしかにいて……。はっきり答えの見えない問題。はっきり姿の見えない気持ち。なんだかもやもやするけれど、目をそらさずに考える! そんなイガグリくんの姿勢には、おとなもぐっと背筋がのびます。
浮かない気持ちを抱えたまま、イチゴちゃんたちに誘われて公園にあそびにいったイガグリくん。しかしこんどは、公園で犬を放し飼いにしているおじさんや、ブランコを占領している上級生たちに、出くわしてしまいます。怖がるイチゴちゃんやスイカちゃんをかばったイガグリくんは、そのできごとをきっかけに、もやもやする気持ちの正体に気がついて──?
大人でも考えさせられる、真剣なドラマ。 幅広い年代におすすめです。
(堀井拓馬 小説家)
「ともだちに、いじわるしてるんだって?」と、お母さんにおこられたイガグリくん。どうやら休み時間のバトルに、スターくんをさそわないと言ったことが原因らしい。自分は悪くないと思いながらも、イガグリくんの胸の中はモヤモヤ。気晴らしに公園に遊びに行くと、ブランコをゆずらない上級生や、犬をはなしているおじさんを見て……。友だちとのイザコザにとまどうイガグリくんが、問題点に気づいて、解決しようと考えるお話。
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