さよならって、どうなるの? 『オーリキュラと庭のはなし』 【NEXTプラチナブック】
静かな農園で育ったプリムラ・オーリキュラ。大切に育てられ、美しく花を咲かせる彼女だけれど、心の中ではこんなことを思っています。
「どこかへいきたいな。ここじゃないどこかへ」
やがて町のお花屋さんに置かれたオーリキュラは、古い家に住むおばあさんの小さな庭に植えられます。そこでは色々な草花や木と出会うのですが、気がつけば庭は荒れ果て、はじめてお別れをする悲しさに直面します。自分も枯れていきながらも、大切な新しい命のために必死で花を咲かせようとしますが……。
ヨーロッパを中心に熱心なファンに愛され続ける園芸植物プリムラ・オーリキュラ。その凛とした佇まいと可憐な花を見ていると「わがままで美しい花」という言葉がしっくりときます。多くの草花の絵を描き続けている前田まゆみさんの繊細な視点は、一つの命の終わりを悲しみだけでは終わらせません。小さなオーリキュラが最後に感じとる幸せとは。優しく力強い物語です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
小さな庭にやってきた、わがままで美しい花・オーリキュラ。そこでさまざまな出会いをし、最後は荒れ果てた庭で、自分もほとんど枯れながらも、小さな命のためにひっしで花を咲かせようとします。悲しくも幸せな、成長物語。
この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これはひじょうに面白くて、心地よいお話だからです。私はオーリキュラを知りませんでした。けれどもこの本を読んでいると、いつの間にかストーリーの世界に魅了されました。そしてオーリキュラの虜になってしまいました。素晴らしいお話だと思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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