校門や机、給食にチャイム。 学校にあるいろんなものが、生き生きと気持ちを歌い出したら、どんなに楽しいかしら! そんな楽しい思いつきを心地良いリズムでつづった杉本深由起さんの詩と、自由に伸びやかな線と色で描かれた松田奈那子さんの絵が、イメージたっぷりに「学校の楽しさ」を伝えてくれる1冊。
「きみの くつをいれるのは 一だんめの 右から三ばんめ」 と靴箱がやさしく子どもを迎え入れ、 「ほら いそげ トイレは すぐそこ」 と、廊下が子どもを励ましてくれる。 友だち口調や独り言、物語風と、手を変え品を変え綴られた詩。子どもたちを見守るたくさんのまなざしと励ましなどの気配が、学校にはあふれているようです。
詩の一編ごとに文字の形や配置が微妙に変えてあって、それぞれに違うリズムを奏でているのも注目! パッとページを開いたときに、「どんな風に読んだらいいのかな?」と子どもも大人も想像して楽しみ、時に歌って楽しみましょう♪
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
教室の机が休んだ子を思い、靴箱が季節を感じ、給食はメニューを当ててと声を上げ、ランドセルは一日あったことを問いかける…。学校にあるものたちが、感じていること、伝えたいことを詩でアピール。子どもたちに、まわりのあらゆるものには命があると気づかせてくれ、それらが発信するメッセージを、多彩なタッチで描いた絵で豊かに伝える。学校に見守られている気持ちになれる詩の絵本。巻末には作者による作品解説を掲載。
小学校を卒業する子供たちに向けて、何かいい絵本はないかと探していたところ、この本に出会いました。
「学校の楽しさを伝える」がコンセプトではあると思うのですが
「学校を振り返る」こともできる絵本だと思いました。
特に最後のランドセル、6年間過ごしてきて感じた「うれしかったこと かなしかったこと」
ランドセルは一緒に乗り越えてきた仲間、そう思うと自然と涙がこみ上げ、胸を打つものがありました。
作者の意図とは違うかもしれませんが、6年間を振り返るにはとても良い絵本だと思います。 (Yangziさん 50代・ママ 女の子15歳、女の子12歳)
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