猫の一家を描いた「ねこのオーランドー」シリーズ。今度はなんとオーランドーが裁判官に! 優しくてしっかり者の妻グレイスに、やんちゃでかわいい子猫たちも、みんなそれぞれの持ち味を活かして大活躍します。
裁判官のウィギンスさんが風邪を引いてしまったため、オーランドーは代理を務めることに。 担当するのは「きえたチーズのなぞ」と呼ばれる、ちまたで話題の事件です。 その事件とは、ある日ゴルゴンさんのチーズが消えて、その犯人としてゾーラさんが捕まってしまったというもの。二人はとても仲のいい友達で、ゴルゴンさんはゾーラさんがそんなことをするはずないと信じていますし、もちろんゾーラさんもそんなことはしていないと言います。 ゾーラさんを信じるオーランドーは、事件解決のため犯人捜しを始めますが……。
「ねこのオーランドー」シリーズは、文字が多めでも、次の展開が気になってどんどんページをめくってしまうところがポイント。 小1の息子は2日分けて読もうとしていたようですが、「えっ!」とか「ええっ!?」とか言いながらあっという間に読み終えて、「なぞ解きみたいでおもしろかった!」と満足げ。 そんな息子に「わかるわかる。でもね、真相を知っててもおもしろいのがこの絵本のすごいところなんだよ」と得意げに言う私。 オーランドーを見ていると、大人にも子どもっぽい一面があってもいいよねと思えてくるのです。
それにしても、グレイスがウィギンスさんにふるまう「タラ入りのミルク」が気になって仕方ありません。ミルクスープみたいなものなのでしょうか? ああ、一度飲んでみたい!
(近野明日花 絵本ナビライター)
風邪を引いたウィギンスさんの代わりに裁判官をすることになったオーランドー。チーズどろぼうの疑いをかけられた友人ゾーラさんを救うため、家族と協力して事件解決につとめます。
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