とあるお店で眠そうな料理人が肉まんを作っています。「皮に中身をつめたら、あとは蒸すだけ。ふあぁ、昼寝でもしてくるか」と休憩室に行く料理人。その後を「ちょっと待ってよ!」と追いかける肉まんが……!? それは中身をつめ忘れたからっぽの肉まんでした。
「ぼくにも中身をつめてよ!」と言いますが、料理人は「中身は全部使い切ったから他のやつに分けてもらってくれ」と投げやりな返事です。しかも誰も中身を分けてくれません。からっぽの肉まんは「うわーん!」と店を飛び出しますが……。
ピザ屋さん、和菓子屋さん、カレー屋さんと次々店を訪ね歩くからっぽの肉まん。どこで中身をつめてもらえるのか、もらえないのか。続きはぜひ絵本を読んでみてくださいね。
真っ白くて、ふんわり、ふっくら。かわいい肉まんが中身をもらえずだんだん痩せていく様子にハラハラ。いつかぱんぱんにふくらんだ姿になれるのでしょうか。肉まんの頭のてっぺんに吹き出す湯気から、いいにおいがしてきそうな絵本。見返しには「肉まんの包み方」も描かれ、肉まん作りに挑戦したくなるかも!
本書は第10回MOE創作絵本グランプリ受賞作。『はにわくん』(絵本塾出版)でデビューしたまつながもえさんの作品です。ユニークな主人公で読者を引きつける、新しい作家さんのこれからが楽しみですね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
中身を詰め忘れられて、からっぽのままになってしまったにくまん。 中身を求めてピザ屋さん、和菓子屋さん、カレー屋さん…あちこちの店をめぐります。 おなかが減りすぎてしぼんでしまったにくまんが駆け込んだ先は…? 小さなにくまんの大きな冒険、第10回MOE創作絵本グランプリ受賞作。 2022年9月刊
図書館の新着コーナーで見つけました。
肉まん屋で1つだけ中身を詰め忘れられてしまった肉まん。他の肉まんに頼んでも中身を分けてもらえず、「だれかぼくのなかみをつめてよー」とお店を飛び出します。
中華料理屋でおいしい料理を頬張る肉まん。嬉しそうな表情を見ていたら、こちらまで幸せな気分になりました。これからホカホカの肉まんがおいしい季節ですが、肉まんを食べるたびに、このお話を思い出しそうです。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
|