夜中に目が覚めてしまった時、そしてそのまま眠れなくなってしまった時、そんな時に限って思い出してしまうのは、学校での出来事や普段から不安に思っていること、苦手なこと、心に引っかかっている悩み。 けれどもあるおまじないをかけると、眠れない子を夢の世界へ案内してくれる「夢見せバク」がやってきます。さあ、目を閉じて、ゆっくりゆっくり呼吸をしてみて……。
登場するのはそれぞれに悩みを持った小学六年生。 普段から立ち居ふるまいに気を付けていたのに学校で恥ずかしい失敗をしてしまった知里(「失敗レッスン」) 夜中に目が覚めると必ず人類滅亡のことを考えて怖くなってしまう克樹(「魔法の使えなくなる日」) 自分をサッカークラブからやめさせようとしている犯人を知りたい大樹(「ドラゴン狩り」) あるいたずらをしたことを後悔している浩司(「手をのばしたら」) 将来が心配な茉奈が自分の気持ちを発見する(「魔法少女の選抜大会」) ‥‥‥など10人の小学生たちによる10話。それぞれの悩みには実際の小学生でも身近に感じるものが多いことでしょう。
鍵となるのは、学校で流行っているというバクを呼ぶおまじない。それはバクのいる幻の世界と現実の世界をつなぐ合図。そのおまじないを唱えて目を閉じると目を閉じているのに遠くからバクがやってくるのが見えます。そしてバクはこんなことを言います。 「これからバクが話すことは君の夢となる。バクの言葉を聞いたなら、その情景をしっかりと鮮やかに頭の中で思い浮かべて」 そして眠りに落ちた後は、それぞれに不思議な夢を見ることになります。
現実の世界とは時間も空間も登場する人たちも違っている、時にはファンタジーのような不思議な夢の世界。けれどもそこには直面している悩みを解決に導くヒントが散りばめられていて、主人公たちは目が覚めると自然に一歩前に進むことができるように変化しています。
はじめはもやもやと悩んでいた主人公が、バクが見せる夢を見た後にはすっきりしているのは一体なぜなのか。夢のお話と現実の悩みの共通点はどこにあるのかを探りながら読んでみると面白いでしょう。一話一話が短いので、朝読の短い時間や、勉強の合間の気分転換にもぴったり。元気をもらえる一冊です。
(絵本ナビ編集部)
ねえ、夜中に目が覚めてしまうことない? 学校で恥ずかしいことをしてしまったり、人類滅亡が怖くなったりして心配事や怖い話を思い出してしまったとき……。そして、そのまま眠れなくなってしまうことない? そんな時にあるおまじないをかけると、眠れない子を夢の世界へ案内してくれる「夢見せバク」がやってくるよ。今から「夢見せバクのおまじない」を教えてあげるから、目を閉じて、ゆっくり呼吸を……。 【もくじ】失敗を忘れたい知里……『失敗レッスン』/人間滅亡が気になる克樹……『魔法の使えなくなる日』/犯人を知りたい大悟……『ドラゴン狩り』/後悔している浩司……『手をのばしたら』/動画が見たい怜子/楽しみすぎて眠れない智弘……『スマトラ島の森』/オバケが怖い愛華……『オバケのいない星』/秘密を話したい麻由美……『秘密の村』/将来が心配な茉奈……『魔法少女の選抜大会』 ショートストーリーだから、朝読の限られた時間にもぴったり! 前向きな気持ちで一日をスタートできる1冊。
|